藤井聡太名人（21）への挑戦権を争う第82期名人戦A級順位戦（毎日新聞社、朝日新聞社主催）の最終9回戦全5局が29日、静岡市葵区の浮月楼で一斉に指される。6勝2敗で首位の豊島将之九段（33）、1勝差の5勝3敗で追う永瀬拓矢九段（31）と菅井竜也八段（31）の計3人に挑戦の目が残る。豊島九段と菅井八段の直接対決が、挑戦者決定かプレーオフかのカギを握る。
降級者2人は一人も決まっておらず、全局が挑戦か残留を左右する「将棋界の一番長い日」の呼び名にふさわしい一日となる。
対局者10人は対局前日の28日に現地入りし、それぞれの対局室を検分した後、午後6時半から前夜祭に臨んだ。直接対決を控えた豊島九段は「非常に注目される一局なので、熱戦を見てもらえるように頑張りたい」、菅井八段は「集中して明日も頑張りたいと思います。頑張ります！」と決意を述べた。対局者が退席後、藤井名人が最終局の見どころを解説した。
対局は29日午前9時に一斉に始まり、深夜から未明まで続く。藤井名人は現地大盤解説会の解説者の一人として登壇する。菅井八段が直接対決を制して豊島九段と首位で並んだ場合は、後日、プレーオフが行われる。永瀬九段も勝って首位タイとなれば、プレーオフに加わる。【丸山進、新土居仁昌】
対局と大盤解説会をライブ配信
「第82期名人戦」の特集サイトで29日、豊島九段―菅井八段戦（午前9時から）と現地大盤解説会（午後2時から）をライブ中継します。パソコン、スマートフォンでお楽しみください。
