イオンは28日、ドラッグストア業界首位で子会社のウエルシアホールディングス（HD、東京）と2位のツルハHD（札幌市）の経営統合に向けた協議を始めたと発表した。2027年末までにツルハがウエルシアを完全子会社化し、イオンの傘下に入る。競合他社との競争が激しくなる中、売上高2兆円超の巨大ドラッグストアチェーンが誕生することになる。
イオンはツルハと1995年に資本業務提携を結んでおり、現在、ツルハ株を13％強保有している。イオンは28日、香港ファンドのオアシス・マネジメントが持つ13％強のツルハ株を1023億円で取得することで合意した。3月半ばの取得開始を予定している。
イオンは保有するツルハ株の一部を野村証券に売却し、オアシス保有分は全株取得し、保有比率を19％強まで高める。その後、売却した株を買い戻し、保有比率を約27％まで高めてツルハをイオンの持ち分法適用会社にする。
経営統合で全国5000店規模の店舗網になる。競争の激しい業界内でいっそう経営基盤を強化し、アジア進出なども加速させたい考えだ。
札幌市内で28日開催された記者会見でイオンの吉田昭夫社長は、規模拡大の利点として商品の調達力や開発力の向上、物流や決済機能の充実化などを挙げ、「（統合で）さらにシナジー（相乗効果）を生み出していきたい」と強調した。【松山文音、町野幸】
