ローソン社長、デリバリーに注力へ 最短10分「速さを武器に」

　ローソンは新型コロナウイルス禍の3年間で、店舗改装や冷凍・生鮮食品の充実、良品計画が提供する無印良品との提携を進めてきた。竹増貞信社長は「『ローソンのあれがほしい』と日常使いで指名買いしてもらえる店を目指してきた。そのニーズと評価をいただいている」と手応えを語る。

　2024年はデリバリーに力を入れる。春ごろから店頭とスマートフォン注文時の在庫状況を連携させ、課題だった欠品による機会ロス解消を目指す。デリバリー対応店舗も現在の約4400店から拡大する。店舗は顧客と関わるリアルの場としながら、EC（ネット販売）領域では迅速に商品を提供する場と捉える。「ローソンの店舗数を活用すれば注文から最短10分で届けることができ、EC領域では最速と言っても過言ではない。速さを武器にお客様に新しい便利を届けていきたい」と意気込む。

　3月からは各店舗に、最新のアルゴリズム（計算式）によって最適な発注数量や値引き率を算出して提案するAIの導入を進める。人手不足が懸念される中、店舗で働く人たちの生産性向上や食品ロスの削減につなげ、さらなる店舗の利益最大化を目指していく方針だ。【松山文音】