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新型コロナ再感染者は人にうつすリスク低減か 研究チームが調査


 新型コロナウイルスの感染歴がある人が再び感染した場合、他人に感染させるリスクが低減する可能性があるとの結果を、国立感染症研究所と名古屋大のチームがまとめた。再感染者の体内では、増殖したウイルスの感染性を失わせる免疫物質を、短期間で作り出せるようになり、ウイルスを体外に排出しても他人に感染させにくくなるという。

 この免疫物質が早期に作られるほど、ウイルスの排出期間が短いという相関関係を、ヒトの検体を使った解析で初めて明らかにした。

 研究チームは、体の免疫が作り出す物質のうち、鼻腔(びくう)の粘膜表面に作られる「分泌型抗体」に着目した。免疫細胞が作り出す抗体の一種で、鼻腔の粘膜を通って体内入ってくる有害な異物を、効率的に排除する役割を担っている。

 一方、感染者の体内で増殖したウイルスが体外に出る際も、鼻腔の粘膜を通過する。ここでも、何らかの作用があると考えられていたが、詳細は不明だった。

 そこで、オミクロン系統に感染した国内の122人のウイルス量に関するデータなどを使い、分泌型抗体と感染性のあるウイルスの排出期間を調べた。

 その結果、ワクチン接種を受けずに初めて感染した人では、分泌型抗体が一定量を超えるのに、感染から平均10・4日かかっていた。これに対し、再感染者では5・2日へと短縮していた。

 感染性のウイルスを排出する期間については、初感染者は感染から平均9日間だったのに対し、再感染者は5・9日間と短くなっていた。

 一方、ワクチン接種者で初めて感染した場合、分泌型抗体が一定量を超えるのに、感染から平均8・6日で、接種を受けずに初めて感染した人より短かった。ただ、排出期間は8・4日でそれほど差がなかった。

 研究チームは「現在の新型コロナワクチンでは、重症化予防の効果は高かったが、感染性のウイルスを排出する期間を十分に短くすることは難しい。未知の感染症が発生する場合に備え、分泌型抗体を効率的に作り出せるワクチンを開発すれば、流行を早期に抑えることが期待できる」と解説した。

 成果は19日、米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。【渡辺諒】

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