秋の味覚のサンマをグリルで焼こうとアルミホイルを敷くと、思わぬ危険が――。ガスコンロやグリルにこびり付いた油汚れを防いだり、掃除が楽になったりするとして、ネット交流サービス（SNS）を通じて「時短術」が広がる。中には火災の原因となる方法もあるとして、独立行政法人「製品評価技術基盤機構（NITE）」が28日、注意を呼びかけた。
NITEによると、ガスコンロやグリルの火災などの事故は2018～22年度の5年間に195件起きている。このうち43件が「誤った掃除の時短術」や「汚れの放置」によるものだった。
グリルを使用後、しっかりと洗わずに繰り返し使うことでたまった汚れによる事故は17件に上る。6人が、やけどや煙を吸うなどの軽いけがをしたという。
グリル内にアルミホイルを敷いたことによる事故も3件あった。グリルの受け皿などが汚れにくくなるため、広まっている方法だ。油の少ない食材なら問題ないが、鶏皮や脂ののったサンマなどを焼く際に使うと、アルミの上に油がたまったり、はねたりして火災の原因になりかねないという。
NITEの担当者は「時短術が全てダメということではないが、掃除の手間は省かないでほしい。取扱説明書で禁止されていないか、確認してほしい」と話している。【松本光樹】
