starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

「議員からハラスメント」被害157人 市職員へ過度な叱責 千葉・柏


 千葉県内の自治体議会で、職員が議員からハラスメントを受ける問題が相次いで発覚している。ハラスメント防止条例が県内で初めて可決・成立した柏市では、条例案検討段階の調査で職員157人が「(議員から)ハラスメントを受けたことがある」と回答したことが明らかになった。専門家は自覚を促すよう、議員が研修を受ける必要性を指摘している。【林帆南】

 6月に「柏市議会ハラスメント防止条例」が可決・成立し、即日施行された柏市の条例化のきっかけは、円谷憲人議長が職員から「議員から過度な叱責を受けた」「理不尽に怒鳴られた」という声を耳に挟んだことだった。

 ハラスメントを防止するために検討会を設置。同市の全職員を対象とした調査を実施した。1827人から回答が寄せられ、「ハラスメントを受けているのを見たことがある」と2割弱に当たる316人が答えた。具体的には、「些細なミスを大声で叱責、必要以上に長時間の叱責、意に沿わない対応に恫喝(どうかつ)」が169人で、「彼氏・彼女がいるのかと聞かれる、早く結婚しろと言われるなどで苦痛を感じる」が154人、「プライベートの話を職場などで大きな声で話をされることにより苦痛を感じる」が105人とセクシュアルハラスメントにあたる項目も目立った。円谷議長は「セクハラは互いの認識の差があり、日常会話の中で嫌だったと感じる部分もある。研修を積み、認識を高めていくことは必要だと感じた」と振り返る。

 また、長生村でも4月に女性職員への暴力でけがをさせたとして傷害罪で略式命令を受けた議長(当時、6月に議員辞職)の職員へのハラスメントが問題となった。村議会は今後、ハラスメント防止の条例制定を目指すとしている。

 なぜ、議員と職員の間でハラスメントが起こるのだろうか。公務員のハラスメント対策に詳しい一般社団法人「公務員研修協会」(大阪市)の高嶋直人代表理事は「議員の方が上だという誤解をしている議員も多い」と指摘する。

 議員によるハラスメントの防止に向けては、政治倫理条例などで基準を定めているケースもあるが、全国的に見ると、最近はハラスメント防止に特化した条例を新設する自治体も増えてきている。一般財団法人「地方自治研究機構」(東京都)によると、議員や職員のハラスメント根絶を目指す条例を2018年に制定した東京都狛江市議会を皮切りに、大阪府池田市や東京都世田谷区など全国25自治体(7月4日現在)で条例化された。

 しかし、高嶋代表理事は条例の制定にとどまらず、議員への「公務員倫理研修」で自覚を促すことが必要だと訴える。「理解を深め、自ら行動を律してもらうほかない。有権者は選挙で正しく判断することが肝要」と指摘した。

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.