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「接種後死亡」触れぬNHK報道めぐり、遺族らがBPOに申し立て


 NHKの報道番組「ニュースウオッチ9」が、新型コロナウイルスワクチンの接種後に家族が死亡したと訴えている遺族を取材し、コロナ感染により死亡したと受け取られる形で放送した問題で、遺族らが5日、東京都内で記者会見を開き、放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会に審理申立書を送付したと明らかにした。この問題では、BPOの放送倫理検証委員会が先月、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めていた。

 申立書などによると、NHKは5月15日の同番組で、遺族3人のインタビューについて「夫を亡くした」「母を亡くした」などとコロナ感染で家族を亡くした遺族であるかのようにテロップで表記して放送。遺族らは「遺族の心情を踏みにじる放送がなされたのは許されざる人格権侵害」と主張している。

 代理人の青山雅幸弁護士は、放送人権委員会への申し立てについて「(既に審議入りしている)放送倫理検証委員会とは審査内容が異なる。人権が踏みにじられたと考えており、きちんと検証してもらいたい。また、放送倫理委員会は我々が関与する余地がなく、今のところBPOから我々の話を聞く姿勢が見られない。NHKの一方的な情報提供によって判断がなされる可能性があり、我々から積極的に申し立てる必要があると判断した」と話した。

 会見には、NHKの取材を受けた遺族2人が出席した。河野明樹子さん(59)は、夫(当時55歳)がワクチン接種から2日後に死亡。「全国放送に出ることで、同じように苦しむ人が救われればと思った。とにかく悔しく、悲しい」と語った。接種当日に母(当時68歳)を亡くした佐藤かおりさん(46)は「なぜ取材と異なる報道をしたか理解できない。真実をしっかり報道すべきだ」と話した。

 NHKは、毎日新聞の取材に「ワクチン接種後に亡くなった方のご遺族を、新型コロナに感染して亡くなった方のご遺族と受け止められるような伝え方をしたことは適切ではありませんでした。ご遺族や視聴者の皆様に改めておわび申し上げます。BPOに引き続き協力してまいります」とコメントした。【平本絢子】

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