私立の中高一貫校「芝中学・芝高等学校」（東京都港区）の部活動が「借金」トラブルで活動を休止していることに関し、同校は19日夜、トラブルに至った経緯を公式ホームページ上で公表し、保護者らに謝罪した。
活動休止しているのは、低燃費車や船などを製作する「技術工作部」で50年以上の歴史がある。
同校は、毎日新聞が19日朝に報じた内容について文書3枚で経緯を説明。技術工作部の会計報告書に「短期借入金」が約175万円、OBへの「貸付金」が約71万円計上されていることを認めた。
同校はその原因について、元顧問が立て替えた部活動の費用を年度内に精算せず、先送りしていたと説明。OBへの「貸付金」は「卒業して社会に出て自分がお金を稼ぐようになったときに現役生に寄付してほしい」という趣旨だったと、元顧問が同校に説明しているという。
同校はこうした会計処理が不適切だったと指摘し、「本来は元顧問に立て替えさせることなく、活動に必要な資金を部費または寄付により集め、その範囲内で活動をおこなうべきだった」としている。
元顧問が当時の部員に対し、メッセージアプリで「説明不要 取り立てれば良い」などとOBから資金を回収するよう求めたことについては、OBが「貸付金」の趣旨を承知しているとの意味だったと釈明。同校は「このような事情があったとしても、元顧問の対応は不適切だった」との見解を示した。
その上で、同校は再発防止策として、部活動の収支状況を学校が定期的にチェックする体制を整えると明言。「長年にわたり部活動の活動内容を十分に把握せず、適切な管理体制の構築がなされない状況であったことを深く反省している」と謝罪した。【寺田剛】
