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ウクライナのダム決壊原因 内部坑道に爆発物の可能性 米紙報道


 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は16日、ウクライナ南部ヘルソン州のカホフカダムが決壊した原因について、ロシア側によってダム内部の坑道に爆発物が仕掛けられた可能性が高いとする分析を報じた。

 同紙によると、決壊後のダムの映像などで、水門の下部にある高さ20メートル、厚さ40メートルのコンクリート構造物に大きな裂け目ができているのが確認された。同紙はダムの設計図を入手し、米国やウクライナの5人の専門家らへの取材を通じて決壊の原因を分析。裂け目はコンクリートの劣化や外部からの圧力によるものとは考えにくく、構造物の中を通るメンテナンス用の坑道に爆発物が仕掛けられたと仮定すると、説明がつくとした。爆発の規模は不明だが、一定程度のコンクリートを破壊すれば、水圧により決壊が起きるという。

 ダム決壊を巡ってはこれまでに、ルーマニアの地震観測所が6日午前2時54分ごろ、ダム周辺での爆発を示す振動を検知していたことが明らかになっている。NYTの報道によると、同日午前2時35分ごろにもルーマニアとウクライナの地震観測所が爆発物によるとみられる振動を検知していた。いずれもダム決壊に伴う振動ではないという。

 米軍高官は同紙の取材に、米政府はミサイルなど外部からの攻撃による決壊の可能性を排除し、ロシア軍による工作の可能性が高いとみていると証言した。

 一方、ロシア側は、ダムの決壊はウクライナ側による破壊工作と主張。ウクライナ軍による2022年後半以降のダムへの砲撃が遠因となったと訴えている。これに対しNYTは、ダム周辺の道路にウクライナ軍による砲撃の跡がみられるが、ダムに影響を与えるものではないと分析している。

 ウクライナ政府は18日、ダム決壊によるウクライナ側の死亡者数を16人と発表。同国内務省は17日、ヘルソン州と隣接するミコライウ州で3600人以上が浸水地域から退去し、31人が行方不明になっていると発表した。ロシア政府はロシア占拠の地域での死亡者数を29人としている。【ブリュッセル宮川裕章】

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