自分は草木の精かも…「らんまん」牧野富太郎の銅像、古里で除幕

　NHK連続テレビ小説「らんまん」の主人公のモデルとなった植物学者、牧野富太郎博士の銅像が28日、古里・高知県佐川町の牧野公園に設置された。県内の植物愛好家で作る団体が企画し、市民からの募金で完成した。

　高知県在住の彫刻家、大野良一さん（73）と植物愛好家の吉岡郷継（さとつぐ）さん（81）が高さ65センチメートルの胸像を制作。牧野博士が最後に帰郷した76歳ごろに撮影された複数の写真を参考にし、柔らかい表情が印象的だ。台座には、牧野博士が自分を表現した「あるいは草木の精かも知れん」という言葉が刻まれている。

　佐川町の観光地に牧野博士の銅像がなく、吉岡さんは「さみしく思っていた」という。「らんまん」の放送が決まったことを機に23年1月、制作費250万円の募金活動を始めた。「らんまん」効果もあり、1000人以上から予想を大きく上回る総額300万円超が集まった。

　この日の除幕式には関係者ら約50人が集まり、「これからは、里帰りしている牧野さんにいつでも会える」と喜び合った。【前川雅俊】