ワグネル、激戦地バフムト撤退を撤回か 「弾薬と武器供給約束」

　ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者のプリゴジン氏は7日、通信アプリ「テレグラム」で、ウクライナ東部バフムトへの侵攻作戦を続けるための「弾薬と武器の供給を約束された」と述べた。プリゴジン氏はロシア政府からの弾薬の供給不足を理由に10日にバフムトから撤退すると表明していたが、撤回した可能性がある。

　ロイター通信によると、プリゴジン氏はテレグラムに投稿した音声メッセージで、「我々はさらなる作戦を継続するために必要な武器や弾薬の供給を約束された」と述べた。

　ワグネルは激戦地バフムトにおけるロシア側の主力部隊だ。しかし、プリゴジン氏は5日、政府の支援不足を批判し、10日に撤退する方針を示す書簡を公開していた。ただ、「弾薬の支援不足」を訴えるワグネルの主張については懐疑的な見方も強かった。

　プリゴジン氏はこれまでも、物資の補給など巡りロシア国防省など政府側との確執が取りざたされてきた。今回の動きには、バフムトで戦果を上げられない責任を国防省など政府側に転嫁しようとする思惑も透ける。【ブリュッセル岩佐淳士】