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腎臓の基本構造作成=マウスES細胞から―熊本大


 マウスの胚性幹細胞(ES細胞)から、腎臓の基本構造を作成することに初めて成功したと、熊本大の谷川俊祐講師や西中村隆一教授らの研究チームが1日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に発表した。  腎臓は、血液から老廃物をこし取る「糸球体」や、体に必要な成分を再吸収する「尿細管」、尿の排せつ路となる「集合管」などの組織から構成される。研究チームは既に、糸球体や尿細管のもととなる「ネフロン前駆細胞」や、集合管になる「尿管芽」をマウスのES細胞やヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作ることに成功していたが、これらが適切に配置された実際の腎臓に近い構造は再現できていなかった。  研究チームは、ネフロン前駆細胞や尿管芽の分化を制御する間質前駆細胞をES細胞から作成することに成功。ネフロン前駆細胞や尿管芽と組み合わせて試験管内で培養した結果、分岐した集合管の周りに糸球体や尿細管が配置された腎臓の基本構造を作ることができた。  さらに、この組織をマウスの腎臓に移植すると、血管が組織内に入り込み、ろ過機能に必要な細胞が分化することも分かった。  谷川講師は「ヒトのiPS細胞を使って、腎臓を作ることも理論的には可能な範囲に来た。病態再現や透析の代替になるよう研究を加速したい」と話した。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕マウスES細胞から作成された複雑な構造を持つ腎臓組織。尿管芽(緑色)、糸球体(赤色)など部位ごとに色分けされている。(研究チーム提供)
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