位置情報でグーグル提訴＝「消費者欺き追跡」―米首都

　【シリコンバレー時事】米首都ワシントンの司法当局は２４日、検索最大手米グーグルが消費者を欺き位置情報を追跡したとして、ワシントンの裁判所に提訴したと発表した。グーグルは個人が情報収集の可否を選べると説明してきたが、当局は「現実を隠蔽（いんぺい）している」と述べ、プライバシー侵害を主張している。 　グーグルは、検索や地図の利用で得た位置情報などを分析し、個人の好みに応じた広告を配信するプラットフォーム（基盤）を運営、収益を上げてきた。裁判所の判断次第では事業に打撃を与えかねない。 　グーグルは「不正確で時代遅れの主張に基づいた訴訟だ。積極的に弁明する」（広報担当者）とコメント。プライバシー保護機能を搭載していると説明した。 　訴状で当局は、グーグルが２０１４年以降、位置情報の取り扱いをコントロールできると利用者に誤認させた上で、スマートフォンなどから情報を収集、保存、活用してきたと指摘。収集をオフにした場合も「位置情報を推測する方法を見いだしている」と訴えた。 　グーグルは２０年に広告で１５００億ドル（約１７兆円）近い収益を上げた。これは売上高全体の８割に当たる。インディアナ州など３州の当局も同様の裁判を提起した。　【時事通信社】 〔写真説明〕タブレット端末の画面に表示されたグーグルのロゴマーク＝２０１９年９月、仏リール（ＡＦＰ時事）