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五輪直前、くすぶる火種=試されるIOCの手腕―北京大会


 国際オリンピック委員会(IOC)は、いくつもの火種を抱えたまま北京五輪本番を迎える。国内での人権弾圧問題やテニスの女子選手、彭帥さんに関わる疑惑で世界の注目を集めた中国には、五輪ホスト国としての資質を問う声も出るほど。事態の沈静化を図るIOCの手法にも、ちぐはぐさが目立つ。  IOCは五輪憲章で差別への反対をうたうが、新疆ウイグル自治区や香港、チベットの人権弾圧問題については「権限の範囲外」とし、静観を続けてきた。ところが、これらの問題を理由に米政府は北京五輪に高官を派遣しない「外交ボイコット」を表明。英国、カナダ、オーストラリアなどが同調した。日本も閣僚ら政府関係者の派遣を見送ると発表し、事実上足並みをそろえた。  中国側は「スポーツの政治問題化だ」などと反発。一方、ロシアやフランス、韓国などは「外交ボイコット」に参加しない方針を採る。五輪を舞台に国同士の利害関係や思惑がクローズアップされる現状は「平和の祭典」のイメージからかけ離れ、IOCにとっては悩ましい状況となっている。  彭帥さんは中国共産党の元高官から性被害を受けたと告発後、消息不明になったと騒ぎに。そこで唐突に登場したのがIOCだった。公式サイトにバッハ会長と彭帥さんがビデオ通話する様子を伝える画像を掲載し、「時の人」の無事をアピールした。  だが、性被害に関する説明は一切なく、女子テニス協会(WTA)は「懸念が解消できない」と断じ、国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは「中国のプロパガンダを助長してはならない」と非難。五輪を成功させたい中国側と思惑が一致し、IOCが強引に幕引きを図ったとみられても仕方なかった。  バッハ会長は新型コロナウイルス下の東京五輪開催をめぐり、配慮に欠けた言動が批判されたばかり。北京五輪開催に際して彭帥さんと食事する約束をしたというが、それも問題解決につながりそうな気配はない。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕中国の女子プロテニス選手、彭帥さん(右)とテレビ電話で話をするIOCのバッハ会長=スイス・ローザンヌ(IOC提供・AFP時事)
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