「佐渡島の金山」を世界遺産候補に＝文化審答申、韓国反発

　文化審議会は２８日、２０２３年の世界文化遺産登録を目指す推薦候補として「佐渡島（さど）の金山」（新潟県）を選定するよう答申した。文化庁は「候補選定は推薦決定ではない。政府内で総合的な検討を行う」と異例のコメントを出した。 　通常であれば、関係省庁連絡会議と閣議了解を経て、来年２月１日までに国連教育科学文化機関（ユネスコ）に推薦書が提出される。しかし、韓国が「（朝鮮半島出身者が）強制労働させられた現場」と反発しており、実際に推薦するかどうかは不透明だ。　 　佐渡島の金山は、西三川砂金山などで構成され、推薦書案を提出した県などは「ヨーロッパとは異なる伝統的手工業で江戸時代に大規模な金生産システムを発展させた」と訴えていた。 　文化審は８月から国内候補の選定を開始。選定理由を「全体として顕著な普遍的価値が認められ得る」とした。 　答申を受け、韓国外務省報道官は論評を出し、「とても嘆かわしく、直ちに（登録推進を）撤回するよう求める」と表明。「（本人の意思に反する強制労働について）十分な説明なしにユネスコの世界遺産に登録されないよう断固として対応する」と述べた。 　韓国外務省は在韓日本大使館の中條一夫公報文化院長を呼び、抗議した。（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕世界文化遺産の推薦候補に選定するよう答申された「佐渡島の金山」の構成資産の一つ、相川金銀山＝１１月２１日、新潟県佐渡市