「ガリポリの戦い」で沈没した戦艦群を一般公開 トルコの海中博物館

【ガリポリＡＦＰ＝時事】トルコで今月、海中博物館がオープンし、同国西岸沖でダイビングをすると巨大な戦艦群を見学できる。第１次世界大戦中の「ガリポリの戦い」で沈没した軍艦だ。（写真は「ガリポリの戦い」で沈んだ軍艦。ガリポリ史跡当局提供）　「展示」されているのは、英国海軍の軍艦「マジェスティック」をはじめ１４隻。ガリポリ半島は古代から戦場になることが多く、沖合は艦船の墓場になっている。　半島の横を地中海からロシア側に延びるダーダネルス海峡をめぐり、最後の大規模な戦闘となった１９１５年のガリポリの戦いでは、英仏軍は多大な犠牲者を出して退却した。　最終的には連合軍が勝利したが、この戦いで同軍側に多くの犠牲者が出たことは、現代のトルコ、オーストラリア、ニュージーランドの国民意識の形成につながった。　オーストラリア・ニュージーランド軍も連合軍に加わっており、上陸作戦が開始された４月２５日は両国では戦争記念の日になっている。　建国１００周年を２０２３年に控えたトルコは、その史跡を世界中のダイバーに公開。一番乗りで見学した一人、ダイバーでドキュメンタリー制作者のサバシュ・カラカス氏は「１９１５年と第１次大戦に戻れるタイムマシンのようだ」と語る。　水中カメラマンのエテム・ケスキン氏は、水深数メートルから８０メートルの所に沈んでいる戦艦を眺めるのは「私たちが過去を忘れないための良い機会になる」として、「こうした戦艦が沈没したときのことを思うと、戦争の威力を感じるだろう」と話した。【翻訳編集ＡＦＰＢＢＮｅｗｓ】〔ＡＦＰ＝時事〕（2021/10/27-12:52）