生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研は、このたび「電力の需要と供給」をテーマにレポート。
20~50代の男女500名を対象にした調査結果と、日本のエネルギー問題に詳しい、東京大学生産技術研究所の岩船由美子氏へのインタビュー内容をご紹介する。
また、「災害や天候の影響で電力供給に影響が出たニュースを見たときに、あなたはどのように感じますか?」という質問では「電気は決して当たり前のものではないことを実感する」と答えた人が90%という結果に。一方で、「大型災害や天候の変動による停電は、個人での対策が難しいと感じる」という声も94%にのぼっている。
一方で「電気は発電する量(供給)と消費する量(需要)のバランスが崩れると、広域停電が発生する可能性があることを知っていましたか?」と聞いた質問では、「知っていた」と答えた人が5割台(54%)にとどまり、残り半数近く(46%)は「知らなかった」と回答した。自然災害や天候の影響による停電のニュース自体は知っていても、需給バランスが停電に影響していることまでは理解できていない人が多い様子がうかがえる。
電気を安定的に供給するうえでは、使う電気(需要)と作る電気(供給)が同じになるように調整する「同時同量」の堅持が重要だという。そのうえで重要な考え方として挙げられるのが『エネルギーミックス』だ。
「一つの燃料や、発電種類だけに頼るのではなく、いろいろバランスよく組み合わせていくことを指します。出力を調整しやすい一方で燃料費が比較的高いガスなどの火力や、出力は調整しづらい一方で比較的燃料費が安価な原子力や石炭、環境負荷が小さい再生可能エネルギー、これらの特徴を生かし、加えてその燃料が外国から安定調達し続けられるものかという側面も考慮して、うまく組み合わせていく必要があります」(岩船氏)
電力供給の問題は、私たち皆が直面している問題でもある。この機会に電力の需要と供給について、他人事ではなく自分事として考えてみてはいかがだろうか。
【参考】
※トレンド総研
http://www.trendsoken.com/