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物価高騰時代を食品業界の経営者はどう生きるか? M&Aによる課題解決と成長戦略の描き方をプロがわかりやすく解説


さまざまな要因の重なりによる原材料価格の高騰は、多くの企業の経営を圧迫している。食品業界もその影響が色濃い業界のひとつである。そんな中、中堅・中小企業の友好的なM&Aを支援する「M&Aキャピタルパートナーズ株式会社」は『30分でわかる 食品業界のM&A動向と事例解説』と題したオンラインセミナーを開催。同社所属のコンサルタントが、M&Aによる生産性向上と成⻑戦略について30分間のコンパクトな内容で解説した。ここではその内容をレポート。ポイントをピックアップしながら伝えていく。

2013年から加速する食品業界のM&A

「昨今、社会情勢の変化によって人件費や高熱費が高騰している中、それを製品の価格に転嫁できない企業様、苦戦している企業様が非常に増えていると日々感じております。そして、その中には、今後も独立経営で継続していくべきなのか、それとも資本力のある他社と提携していくべきなのかを迷われている経営者様も非常に多くいらっしゃいます。その上で、実際にM&Aを実施された企業はどのような考えのもとでM&Aを検討し、実施されたのかを知りたいというお声を非常に多くいただいておりましたので、今回、こうしたセミナーを開催させていただきました」冒頭の挨拶の中で、本セミナーの趣旨について、そのように述べた講師の飯銅悠馬(はんどうゆうま)氏。

飯銅氏は、政府系金融機関にて中堅中小企業向けの融資業務及び財務コンサルディングに従事した後、M&Aキャピタルパートナーズ株式会社に転職。同社入社後は一貫してM&Aアドバイザリー業務に携わり、食品業界を中心に幅広い分野に経験と実績を有するコンサルタントだ。

続いて、同氏は本セミナーのアジェンダに次の3点を挙げた。

・食品業界を取り巻く事業環境
・M&Aのメリットと留意点
・食品M&A事例の紹介

食品業界を取り巻く事業環境

まず初めに、加速する人口減と高齢化により生産労働人口の極度な減少を迎えることを引き合いに「日本では将来的に食料消費総量の減少が起こる」と指摘した飯銅氏。日本の食料消費総量は最高値を記録した1996年から徐々に下がっており、2050年にはピーク時より1000億Calから1400億Calも減少。1960年の水準にまで下がると予測されているという。

日本の食糧事情をそのように説明した上で、同氏は「食品業界では2013年以降、M&Aが増加傾向になっている」と述べ、企業がM&Aを検討するきっかけとして次の3点を挙げた。

・事業環境の激化
・業界の先行きの不安
・事業承継の課題

また、そうした状況下による業界の再編によって、食品メーカーの事業所数は減少傾向にあるといい、これについては次の6点を背景に挙げる。

①事業環境の変化
②少子・高齢化、人口減少の進展
③価格競争の激化
④川下の再編進展による価格交渉力の向上
⑤原料・燃料価格の乱高下
⑥「食の安心・安全志向」の高まり

このうち、①についてはコロナ禍やウクライナ情勢などの社会情勢の変化を主な要因と説明。また、②については「従業員の高齢化」も大きいといい、④については、大手の傘下に入った企業が販路先への交渉力を増してきていると解説した。

M&Aのメリットと留意点

次に、食品メーカーにおける経営継続(独立経営)と資本提携(M&A)のメリットと留意点をそれぞれ並べ、M&Aの特長を述べた。

【経営継続(独立経営)】
《メリット》
・現体制の継続

《留意点》
・衛生管理や品質管理の維持
・高額な設備投資の発生

【資本提携(M&A)】
《株主のメリット》
・創業者利益の確保(未上場株式の現金化)
・小径問題の解決(株式分散後は譲渡困難)
・個人連帯保証の解除
・体力的・精神的な重圧からの解放

《会社・従業員におけるメリット》
・財政基盤・企業価値の更なる向上
・雇用の安定・活躍のフィールドの広がり
・大手企業グループとしての福利厚生の向上
・拠点拡充と物流機能強化による効率化

《留意点》
・独立経営からの脱却

このうち、株主のメリットである「体力的・精神的な重圧からの解放」について、「私がお会いするオーナー様の中にも、昼夜問わず休みの日まで経営のことを考えられていて、精神的な負担が非常に思いと仰る方が多い」と飯銅氏。また、会社・従業員におけるメリットである「大手企業グループとしての福利厚生の向上」については「M&Aにより従来はなかった退職金制度が新たに設定された企業様もある」と自らの経験を交えた解説が行われた。

さらに菓子業界の実例を挙げながら、M&A成立後のメリットについて次の4点に触れた飯銅氏。

①スケールメリットによる価格競争力強化。
②商圏の拡大
③採用力の強化
④サプライチェーンの確保

②については、現在は首都圏だけではなく、北は北海道、南は沖縄までさまざまなエリアの菓子メーカーや菓子店がM&Aを実施しているといい、異なる地域の菓子業者同士が一緒になることで双方のエリアに進出が可能になると解説。③については、大手企業や上場企業と一緒になった場合、ブランド力を活かして採用を強化できるケースもあるといった利点が語られた。

食品M&A事例の紹介

続いて、実際に同社が関わったM&Aの事例として、株式会社河村農園(以下、河村農園)がアシードホールディングス株式会社(以下、アシード社)に譲渡されたケースが紹介された。

株式会社河村農園は健康茶の製造販売を行う1987年創業の上場企業で、「商品開発力の高さ」「独自ルートによる原料調達の安定性」「需要に合わせたロット生産管理の徹底」の3点を強みとする企業。従来から安定した業績を続け、更なる事業拡大を目指していた反面、一代で築き上げたオーナー企業ゆえ後継者不在による事業承継の問題に頭を悩ませていた。

そうした中で、同社がM&Aを提案し、譲渡先となる企業をマッチング。「商品力を伸ばしていける点」「営業力の強化」「採用力の強化」などのシナジーがあると感じ、複数の選択肢の中からアシード社とのM&Aが成立した。同じく高い商品開発力を持つ企業であるアシード社から新商品の共同開発に関する提案があったことや、それまで社長一人で行っていた営業をアシード社の傘下に入ることで強化できる点などが特に魅力に映ったという。

一方で、アシード社の側としては、従来から経営課題だった「製造機能の強化」を埋めてくれる存在であることと「原料調達、商品供給の安定性」が自社のニーズに合致した。

そのほか、昨今の食品業界におけるM&Aのトレンドとして「業歴の長い企業がM&Aをするケースが増えている点」と「M&Aで領域を拡大する支援プラットフォームが台頭している点」について解説があり、いくつかの具体例が紹介された。

30分という短時間で食品業界のM&A動向と最新事例がコンパクトに紹介された本セミナー。8月10日(木)から8月16日(水)まで録画配信もされているので、ぜひチェックして経営の参考に活かして欲しい。

■M&A キャピタルパートナーズ 会社概要
M&A キャピタルパートナーズは、中堅・中小企業の資本承継にお悩みの経営者様に寄り添いなが ら事業承継の選択肢の一つとして M&A 仲介サービスを提案し、実績を積み重ねてまいりました。 私たちが目指している”正しい M&A”とは、創業以来、お客さまのことを一番に考える“クライアン トファーストの M&A”です。

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