＜明治安田J1：町田2－1C大阪＞◇第14節◇15日◇Gスタ
FC町田ゼルビアがホームでセレッソ大阪に劇的勝利し、4戦負けなしで2位を堅守した。
U－23日本代表の活動で約1カ月間チームを離れていたFW藤尾翔太（23）が古巣相手に先発復帰を果たす中、後半にFWオセフンの得点で先制。終盤にPKから失点して追いつかれたが、後半追加タイムにFWデュークがヘディングで決勝点を決めた。カタール帰りの若きストライカーは前半から4本のシュートを放ち、先制点の起点になるなど、後半41分に交代するまで積極的な姿勢で存在感を放った。
ドーハからのホーム凱旋（がいせん）試合で藤尾が躍動した。C大阪のユースからトップに昇格し、昨季期限付き移籍で町田に加入して今季から完全移籍を果たした背番号9は、序盤からエンジン全開だった。
前半5分に背後に抜け出すと、一気に加速してペナルティーエリア内まで進入。ユースの同期でU－23日本代表のチームメートでもある相手CB西尾をかわしてクロスを上げて決定機を生み出した。同9分には右足、左足でシュートを放ち、同14分には右クロスにヘディングで合わせてゴールを脅かした。豊富なバリエーションで前半だけで両チーム最多となる4本のシュートを打つ積極性をみせた。
町田イズムを全身で表現した。ビルドアップが特長の相手に対して、守備では前線からのプレスに加えて激しいプレスバックを披露した。攻撃になれば素早く切り替えて相手DFの背後に飛び出し、好機につなげた。献身的な姿勢が実を結んだのは後半25分。得意のカウンターから右サイドで起点となり、オ・セフンの先制点につなげてみせた。
待ちに待ったGスタでの試合だった。代表活動からの帰国後、途中出場した2試合はいずれも敵地開催。この日は試合前にMF平河とともに花束を受け取ってサポーターから五輪出場権獲得を祝福された。全6試合に出場してパリ行きに大きく貢献したストライカーが、確かな成長をみせた。自身が交代した後の後半追加タイム3分にデュークが決勝点を奪い、サポーターと勝利を喜び合った。【佐藤成】
