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【特徴】独特の香りとほのかな苦味のある、辛味の少ないトウガラシ
シシトウはナス科トウガラシ属の野菜。トウガラシには「辛味種」と「甘味種」に分類され、シシトウは辛味の少ない「甘味種」です。原産は中南米で、日本には明治時代に伝わりましたが、定着しませんでした。広く普及したのは第二次世界大戦後のことです。
シシトウは完熟するとトウガラシと同様に赤くなりますが、未熟な緑色のうちに収穫します。長さは5〜6cm程度で、内側には白くてやわらかい種子が付いています。独特の香りとほのかな苦味が特徴です。
正式名称は「シシトウガラシ」で、漢字で書くと「獅子唐辛子」。先端のくぼんだ部分が獅子の口に似ていることに由来しているそうです。これが略されて「シシトウ」になり、今では農林水産省などでも使われる正式名称になっています。
ハウス栽培が行われているため市場には1年中出回っていますが、旬は夏から秋にかけて。主な産地は高知県や千葉県で、京都を中心に栽培されている「万願寺とうがらし」「伏見甘長とうがらし」もシシトウの仲間です。
【選び方】まっすぐで、ツヤとハリがあり、緑色が濃いもの
全体にツヤとハリがあり、緑色が濃いものが良品です。ヘタはピンとしっかりしているものを選んで。しなびていたり、切り口が変色したりしているものは、古くてかたいことがあります。
一般的なシシトウなら、大きさは5〜6cm程度の小ぶりのものを。それ以上大きいものはかたいことがあるので避けましょう。
また、シシトウにはたまに極端に辛いものがあります。これは、栽培中に高温や乾燥、栄養不足などの強いストレスを受けると、辛み成分のカプサイシンが生成されるからなのだそう。
辛いものを完璧に見分けるのは困難ですが、「まっすぐできれいなもの」はストレスが少なく育っている可能性が高いそうです。辛みが強いものを避けたい場合は、形がいびつなものや、皮が黒みがかっているものは避けるとよいでしょう。
【保存】野菜室で1週間保存可能。冷凍保存は穴を開けてから
シシトウは乾燥と低温に弱いので、数本まとめて新聞紙やペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存を。1週間以内を目安に使い切るようにしましょう。
冷凍保存する場合は、そのまま調理できるように下処理をしてから。洗って水気を拭き取り、ヘタを切り落として竹串で数か所に穴を開け、冷凍用保存袋に重ならないように入れましょう。約1カ月保存可能です。食べるときは、凍ったままフライパンや鍋に入れ、炒め物や煮物に使いましょう。
【栄養・効果】疲労回復効果のあるビタミンCが豊富
シシトウの可食部100gあたりのエネルギーは24kcal。栄養面では、疲労回復や免疫機能を高める働きのあるビタミンCが豊富なことが特徴です。
また、抗酸化作用のあるβカロテンも豊富で、緑黄色野菜として扱われます。βカロテンは油で炒めると効率的に摂取できるので、炒め物はもちろん、煮物にするときも一度油で炒めから煮るのがおすすめです。
ちなみに、緑黄色野菜とは「原則として可食部100gあたりβカロテン当量を600µg(マイクログラム)以上含む野菜」。シシトウのβカロテン当量は530µgですが、シシトウはピーマンと同じく、食べる量や回数などを考慮して緑黄色野菜に分類されています。
【食べ方】油との相性が抜群。調理前には穴を数か所開けて
シシトウは種ごと食べられるのが特徴。ヘタだけ切り落として調理することができます。ただし、そのまま加熱すると破裂する危険があるので要注意。下ごしらえのとき、竹串や包丁の先で穴を数か所開けましょう。
油との相性が抜群なので、おすすめの調理は炒め物や揚げ物です。豚肉やナス、厚揚げなどと一緒に、味噌味や甘辛、ピリ辛味などに味付けすると、箸が進む一品に。煮浸しや天ぷら、素揚げにしてもおいしいですよ。
監修:食のスタジオ(https://www.foodst.co.jp/index.html)
レシピ開発だけでなく、コーディネートや撮影、編集、栄養アドバイスまで手がける食のプロ集団。健康・美容・介護食・離乳食などの専門レシピまであらゆるカテゴリーに対応。監修や編集を手がけた書籍は約100冊にも及ぶ。
栄養監修:内山由香
「食のスタジオ」管理栄養士、フードコーディネーター。女子栄養大学卒業後、食のスタジオにてレシピ開発、料理撮影、栄養計算等の業務を担当。作りやすく、子どもから高齢者まで食べやすい家庭的な料理やつくりおきレシピが得意で、忙しい人でも身近な食材で簡単に作れるレシピを多く開発している。『しっかり食べてきれいになる たんぱく質のつくりおき&らく旨おかず』『組み合わせ自由自在つくりおきシリーズ』(西東社)『朝10分!中高生のラクチン弁当320』(学研プラス)など著書多数。
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