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乃木坂46欅坂46の新曲が批判の的に!的外れなのもあるけどね…


間もなく公開予定の映画『ワンダーウーマン』。『映画秘宝』2017年8月号で町山智浩氏は「1941年に書かれた原作コミックが既に女性解放を意識してい」たとした上で、今回の映画版もその精神を継承した作品と絶賛しており、期待が高まる。


 



だが、この作品の日本版イメージソングとなる乃木坂46の「女は一人じゃ眠れない」、『ワンダーウーマン』の正反対の主張をしているのではないかと、ネットを中心に少々、いや結構、炎上してしまった。確かに歌詞には「強くなりたいよ」「寂しくなんかない」とフェミニズム思想を匂わせるような部分もあるが、それを踏まえつつも最終的に「誰かといたい」「あなたといたい」と締めくくられており、批判されてしまうのも仕方のないところかもしれない。


 


曲解されてしまった歌詞


乃木坂46に続いて、欅坂46の楽曲「月曜日の朝、スカートを切られた」も炎上してしいる。


 


こちらの発端となったのは、さまざまな主張について賛同者を募るウェブサービス「change.org」に掲載された、「【欅坂46】月曜日の朝、スカートを切られた の曲で傷つく人が増えないようにしたい。」(https://www.change.org/p/欅坂46-月曜日の朝-スカートを切られた-という曲がどれだけ被害者に辛いものであるか)という意見書だ。


 


意見書提出者は通学中に電車内でスカートを切られた経験があり、「月曜日の朝、スカートを切られた」はそのことを思い出してとても不快なのだという。歌詞には「目立たないように/息を止めろ」というフレーズもあり、意見書への賛同者の中にはこれを「被害者は黙ってやり過ごすべし」というメッセージと捉えた上で批判しているケースもあるようだ。


 


だが歌詞を読み進めると(あるいは曲を聴き進めると)、これらのフレーズは後々否定されるための前フリにすぎないことがわかる。具体的には「幸せじゃない大人に説得力あるものか」「あんたは私の何を知る」といったフレーズがそれだ。こうした状況を黙ってやり過ごせ、受け入れろというメッセージとは正反対の結論、それが「月曜日の朝、スカートを切られた」という楽曲の主題、というわけである。


 


「change.org」の意見書はあくまでも自身がスカートを切られた恐怖をタイトルから想起してしまう不快感の表明にとどまっており、その点では妥当な意見書といえる。が、当然のことながら歌詞はそれを肯定してなどいないわけで、やや的外れな賛同者たちが意見書提出者の足を引っ張っている皮肉な状況が生まれてしまっているようだ。


 


脊髄反射の前に引用先の確認を


ややこしいのは「女は一人じゃ眠れない」と「月曜日の朝、スカートを切られた」の作詞が、どちらも言わずと知れた秋元康氏ということだ。昨年は秋元氏作詞のHKT46「アインシュタインよりディアナ・アグロン」が女性蔑視的と批判されたこともあり、「女は一人じゃ眠れない」のみならず「月曜日の朝、スカートを切られた」もその文脈で批判されているのかもしれない。が、非常に大雑把にまとめれば、前者は「状況を受け入れろ」、後者は「状況を打破しろ」と、正反対の内容となっている。作家としての思想的一貫性に少々疑問が生じてしまうのも事実だが、後者を同じ文脈で批判するのは少々無理があるだろう。


 


ちなみにこうした一貫性のなさについては、『クイックジャパン』Vol.129の秋元氏インタビューを読むと少々理解できるかもしれない。曰く「僕はアーティストではないんですよ。職業作詞家なんです。僕の言葉ではなくて、彼女たちの言葉を書くのが仕事なんですよね」。


 



もっとも、一貫性がない相手だから何を言っても無駄、やめておけ、という意味ではない。秋元氏自身が最近では欅坂46に提供している歌詞の多くのように、言うべきことは言えばいいのである。ただ、「月曜日の朝、スカートを切られた」がそうであるように、タイトル=主張とは限らないし、歌詞やフレーズの一部分だけ切り取られたもので脊髄反射的に判断するのも間抜けな話だ。


 


まずは冷静に、相手が何を言っているのかをできる限り理解把握した上で動いても遅くはないだろう。


 


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