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「“昭和すごろく”のコンプリート率は下がっている」 経済産業省若手チームによる資料の危機感がヤバい


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2017年5月18日に開かれた経済産業省の産業構造審議会総会(第20回)の資料が公開され、その中の一つ『不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~』の内容がネット上で話題になっています。

この資料は経産省内で公募された20~30代の若手職員30人で構成された『次官・若手プロジェクト』によるもの。「液状化する社会と不安な個人」と第された項目では、「居場所のない定年後」「望んだものとは違う人生の終末」「母子家庭の貧困」「非正規雇用・教育格差と貧困の連鎖」「活躍の場がない若者」の5つが課題として挙げられています。


「漠然とした不安や不満…」というスライドでは、「受験、就活、婚活、保活…自分で決めろと言われても、そんなにうまくいかない」「お金よりも安心とつながりがほしい」といったものから、「政府の視線の先は、いつもエリートか弱者」といった痛烈なもの、「ネット社会って便利だけど孤独」「フェイクニュースこわい」といったネット情報社会への不安までが網羅され、「弱くてかわいそうな個人だけでなく、誰もが不満や不安を抱えている」と結論づけています。


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その上で、「なぜ日本は、大きな発想の転換や思い切った選択ができないままなのだろうか」と問いかけ、高度成長期に形成された社会制度に関して、「結婚して、出産して、添い遂げるという生き方」について1980年生まれが58%、「正社員になり定年まで勤めあげるという生き方」が同じ世代で27%と、1960年代生まれと比較して大幅に下がっていくという試算を提示。「サラリーマンと専業主婦で定年後は年金暮らしという“昭和の人生すごろく”のコンプリート率は、既に大幅に下がっている」と現実的な将来像を示しています。


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このほか、定年後の高齢者が働く場はなく、社会的な活動もしていないことや、自宅ではなく病院で最期を迎えるという選択肢しかないことを問題視。日本の母子世帯の貧困率は世界でも突出して高いことなどや教育格差にも触れていますが、特筆すべきは「現役世代に極端に冷たい社会」という項目で「少子高齢化の影響を考慮したとしても高齢者向け支出に比べて現役世代向け支出が低い」と明示したことでしょう。


この資料を見たネットユーザーからは「なんとかしないとヤバい感がすごい」「パワーワード満載」といった声が上がっていたほか、「社会の変容が誰もついていけていない早さなのが問題」といった意見、「切迫感はあるけど、具体策はない」といった批判もあった一方で、この資料を作った若手に対して賞賛するユーザーもいました。


現在の日本が抱える社会問題を網羅的に提示し、「今回、高齢者が社会を支える側に回れるかは、日本が少子高齢化を克服できるかの最後のチャンス。2度目の見逃し三振はもう許されない」「高齢化の解決が日本に課せられた歴史的使命であり挑戦しがいのある課題」と述べられているこの資料。経済産業省だけでなく、他の省庁や政治家、私たち個人も意識する必要がある内容といえるのではないでしょうか。


産業構造審議会総会(第20回)‐配布資料(経済産業省)

http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/020_haifu.html [リンク]


※画像は配布資料より

http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf [リンク]


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