starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

AdobeとAppleによる360度動画編集ソフトの争い


Apple対Adobe

360度映像の編集ツールを巡る戦い


一般の消費者が興味を持つVR関連の争いと言えば、消費者向けPCベースヘッドセットの覇権を巡るHTCとOculusによる争いだろうか。


あるいは手頃な価格で人気のGear VR、Google DaydreamといったモバイルVRプラットフォームが気になるユーザもいるかもしれない。


そうした消費者向けデバイスの争いの裏側では、クリエイター向けソフトウェアのスタンダードの座を巡ってAppleとAdobeという大企業の争いが行われているという。


360度映像編集ツール


Adobe Creative Cloud

Creative CloudでVRに力を入れるAdobe


Adobe Premiere Pro


Adobeは昨年の時点で、VR編集のためのツールに力を入れることを発表している。


Adobeの提供するPhotoshopやIllustratorといったツールはデザイナーやフォトグラファーの支持を受けており、クリエイティブな職業の現場ではこれらのソフトで標準となっているファイル形式でデータがやり取りされることも多い。


そんなAdobeが開発する360度映像を編集するためのツールがAdobe Premiere Proだ。


元々は2D動画の編集ツールだったPremiere Proが、昨年の夏にVRビューワ機能とVR動画編集の基本機能が追加されている。


Apple Final Cut Pro X


AppleのFinal Cut Pro XもAdobe Premiere Proと同様に大きなシェアを獲得している映像編集ツールだ。


だが、AppleはAdobeと違ってこのツールに360度動画を編集する機能を追加してこなかった。


これはAppleが長く自社のMac製品をVRに対応させてこなかったことを考えると仕方のないことかもしれない。


360度動画編集の不便


iMac

VRに対応するiMac


煩雑な専用ツール


動画の編集には、2D動画であっても専用のツールと専門の知識が必要だ。360度動画となればなおさらである。


これまでのツールを使って360度動画の編集を行う場合、先行していたのはAdobeのPremiere Proだ。


昨年の夏に行われたアップデートで基本的なVR動画の編集機能が追加されたため、このツール単体で完全ではないにしてもある程度の作業を行うことができた。


AppleのFinal Cut Pro Xも優れた映像編集機能を持っているが、こちらは360度動画を編集する機能がない。


Final Cut Pro XでVR動画を作るには、基本操作だけでもMettleのSkyBox SuiteやDashood Cinema Solutionsの360VR Toolboxといった外部ツールを組み合わせる必要があった。


Premiere Proを使う場合でも、ちょっと複雑な操作をするならば外部のツールに頼ることになる。


こうした外部ソフトは360度動画の編集に特化しているが、利便性などで内蔵される機能に劣る。


個別にアップデートや設定の手間がかかるのでツールの管理が煩雑化し、ワークフロー全体で要求するコストが数百ドル余分にかかってしまう。


変わる見込み


この状況は変わる見込みだ。


AdobeはPremiere ProのためにSkyBox Suiteを獲得し、このツールを作成したMettleの創業者であるChris Bobotisを引き抜いている。


6月にAdobeが発表したニュースリリースでは、「将来のPremiere ProとAfter EffectsにSkyboxプラグインをネイティブに統合する」と発表された。


統合がいつになるかは分からないが、AdobeのツールのみでVR映像の高度な編集が可能になることは確実だ。


Appleも同様にVR映像を編集するツールのデベロッパーを採用している。


4月には、Dashwood 360VR Toolbox and 360VR Express pluginsの開発者であるTim DashwoodがAppleに加わった。


Adobeと違ってこの動きが何を目指したものかは発表されていないが、Final Cut Pro XにVR編集機能が追加されるのではないかと思われる。


 


Adobeは、今年の末までにVR映像の編集に関するより多くのツールを提供すると発表しており、現在でもCreative Cloudの契約者はSkyboxツールを使ってVR映像を作成することができる。


Appleは今後の予定を発表していないが、Final Cut ProのユーザならばDashwoodのツールを使って360度映像の制作を始めることが可能だ。


VRデバイスが普及すればVRコンテンツの需要も大きくなるので、両社ともそれに先駆けてクリエイターに自社のツールを広めるために争うことになりそうだ。


 


参照元サイト名:Fstoppers

URL:https://fstoppers.com/originals/adobe-apple-collision-course-win-over-360-degree-video-shooters-189439


Copyright ©2017 VR Inside All Rights Reserved.

    Loading...
    アクセスランキング
    starthome_osusumegame_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.