ARでアーケードゲームの筐体が表示され、VRでプレイする動画が公開

アーケードゲームをする男性はViveを装着している

7月11日の記事で、HTC Viveを使っているユーザの動作やVR空間での行動に連動した映像がAR表示される動画を紹介した。

今回Next Realityが紹介している動画は先の動画を作ったデベロッパーとはまた別のゲームデベロッパーが公開したものだが、こちらでもViveを使うユーザがプレイしているゲームをARで表示することができるようだ。

アーケードゲーム筐体を表示するこの技術によって、VR体験をヘッドセットを付けていない人に共有するのが簡単になるかもしれない。

『Operation Warcade VR』

VRでアーケードゲームができる『Operation Warcade VR』

『Operation Warcade VR』自体はSteamでアーリーアクセスとして販売されている一般的なVRゲームだ。

6月2日に発売されたOperation Warcade VRはHTC ViveとOculus Riftの両プラットフォームに対応し、価格は通常時で1,980円となっている。

SteamのVirtual Reality Arcadeバンドルにも含まれており、こちらならば40%オフで購入が可能だ。

発売から日の浅いVRゲームということでレビューの総数が26件しかないが、その全てがこのゲームをおすすめするものだ。

ユニークなゲームデザインで、VR空間でアーケードゲームの筐体に向かってのプレイとアーケードゲームの中に入り込んでのプレイがいずれも含まれている。

ゲームの中に入り込むシーンでは、飛行機に乗り込んで地上の兵士を攻撃したり、パラシュートで脱出したりといった場面も見られる。

レビュー投稿者のプレイ時間が軒並み短く、長時間遊べるゲームではないようだがVRの特性を活かしたアイデアで高い評価を受けている。

ストアページの動画の一つ目はYouTuberがこのゲームをプレイする様子、二つ目はアップデートされた空母を特集したものだが、三つ目はAppleが今秋リリースする予定のARKitを使ったAR動画となっている。

ゲーム内のVR空間にしか存在しないはずのアーケードゲーム筐体がIvanovich Gamesのオフィスに登場し、しかもVRヘッドセットを付けた男性がその筐体でゲームをプレイしているのだ。

ARKitを使っているので適当な位置にオブジェクトが表示しているわけではなく、きちんと場所が固定されている。これはARKitを使った他のデモ動画でも確認できる特徴だが、違うのはVRゲームのプレイがARに反映されていることだ。

ワンドコントローラーを持った男性が手を動かすと、アーケードゲームで使われる拳銃型のコントローラーもそれにあわせて動いているのが分かる。

筐体の画面でも、きちんと操作に反応してゲームが進行しているようだ。

映像以上の情報が提供されていないのでどのような方法を使っているのかは不明だが、VRでプレイしているゲームの状況をiPhoneにストリーミングし、それを元にARKitを使って投影していると思われる。

この動画で使われている技術があれば、VRゲームのプレイ内容をARデバイスを持っている友人に見せることも可能になる。

VRゲームの映像はプレイヤーにしか見えないため傍から見ると何をしているのかよく分からない人になってしまうという欠点があるが、この技術を使うことでプレイヤーの見ているものを見ることができる。

ただVRヘッドセットを付けたプレイヤーと同じ映像を見せるだけでなく、VRとARを組み合わせた非対称ゲームなども登場するかもしれない。

Ivanovich Gamesでは次の段階として、映像品質の向上に加えてVRヘッドセットではなくiPhoneでゲームができるようにすることを挙げている。

ストアページで公開されている他のプレイ動画に比べてAR映像は荒く、フレームレートも低いように見える。この点の改善はおそらくストリーミング部分のアップデートによって可能だろう。

加えて、将来的にはiPhoneだけでOperation Warcade VRを遊べるようになるかもしれない。

ARKitはまだ正式にリリースされていないため、どれだけの能力を持っているのかははっきりしていない。しかし、非常に有望な存在であることは間違いない。

ARKitがリリースされれば、VRゲームはもちろんコミュニケーション、ユーティリティなど、VRとARを組み合わせたアプリも作られていくだろう。

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