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猫はなぜ『ストルバイト結石』ができやすい?2つの理由と症状、予防法など


猫のストルバイト結石とは?

クエスチョンの吹き出し

ストルバイト結石は、猫に発生しやすい尿路結石の一種です。この結石は、その名の通り主にストルバイト(マグネシウム・アンモニウム・リン酸塩)の結晶からできています。

ストルバイト結晶は尿のpH値がアルカリ性(pH7~7.5以上)の時に形成されやすくなり、これらの結晶が尿路系内に詰まって徐々に集まると、それが大きくなって結石となります。

結石が小さい間は自然に排出されることもありますが、大きくなると尿道を詰まらせて排尿困難などの症状が出る可能性があります。

さらに腎臓や膀胱に留まり続けると、尿路結石症のほか、腎不全などの重大な合併症を引き起こしたり、尿毒症を発症して命にかかわることもあるのです。

治療は尿pHを調整し結石を融解させたり、場合によっては外科的に結石を取り除く処置をしたりします。

ストルバイト結石は砂状のものから数cmの大きさまでさまざまで、色は黄色っぽい半透明で表面が滑らかなものが多いです。また細くカーブした尿道をもつオス猫にはよくみられます。

猫のストルバイト結石の考えられる原因3つ

ごはんを食べる猫

猫にストルバイト結石ができる主な原因は、以下の3つが考えられます。

1.食事

高ミネラルの食事は、ミネラルが結晶化されてストルバイト結晶が形成されやすくなります。とくにマグネシウムやカルシウムなどが多く含まれる食材は注意が必要です。

基本的に猫は総合栄養食+水があれば生きていけますし、栄養が偏ることも滅多にありません。おやつで煮干しなどをあげたくなりますが、あげすぎには注意しましょう。

2.水分摂取量の少なさ

猫はかつて砂漠で生活をしていた生き物であるため、少ない水分でも活用できるように尿を濃縮する機能が優れているという説があります。水分を積極的にとらない個体も多い傾向があります。

そしてその結果、尿路結石ができやすい環境になってしまうのです。

ましてやイエネコの多くはドライフードを主食として生活しているケースが多く、水分補給がしにくい環境にあるのでとくに注意が必要です。

ストルバイト結石に伴う症状は?

用を足す猫

ストルバイト結石が原因で起きる尿路結石症の主な症状は次のようなものがあります。

排尿困難

結石が尿道を詰まらせると、排尿時に苦しんだり、痛がる様子が見られます。結石が大きければ完全に尿が出なくなる場合も。

血尿

結石による尿路の損傷で、尿に血が混じる血尿の症状があらわれることも多いです。また尿の色が赤茶色っぽく濁ることもあります。

無乏尿

結石が尿道を完全に詰まらせてしまうと、排尿できない無乏尿の状態になります。この場合は、尿毒症という体に毒素が回る病気の危険性が非常に高いため緊急で処置が必要です。

頻尿、残尿感

尿を出したいのにできない・出づらい状態となるため、頻尿や、排尿後も残尿感がある症状がみられることがあります。

食欲不振・元気喪失

結石による尿路炎や疼痛のため、食欲や活力が落ちることもあります。

このような症状がみられたら、すぐに獣医師に相談しましょう。結石が大きくなったり、増えたりすると症状が重くなり、合併症での腎不全などのリスクも高まります。早期発見と適切な処置が必要です。

ストルバイト結石を予防するためには?

水を飲む猫

ストルバイト結石を予防するための対策としては、主に以下の4つが挙げられます。

理想的な体重と運動量を維持する

肥満や運動不足はストルバイト結石による尿閉塞のリスクを高めます。適正体重を保ち、適度な運動を心がけましょう。

高ミネラルの食事を控えめにする

高ミネラルの食事も過剰摂取は、尿のpHを上げストルバイト結晶形成の原因となります。おやつとして与えるときも、成分と量には注意しましょう!

十分な水分補給をする

適度な運動と共に水分補給をすることも大切です。ウエットフードや水分補給ゼリーを上手に取り入れて、濃縮された尿を作らないことがポイント。

定期的に検査をして、早期発見に努める

ストルバイト結石だけでなく、ほかの病気も発症の初期段階で発見できれば早く・経済的負担も少なく改善できる可能性が高まります。

年に1回は一般健診+尿検査・血液検査などを受けるのが賢明です。

このようにストルバイト結石は、食事や生活環境を改善することである程度予防が可能です。獣医師と相談しながら、適切な対策を講じていきましょう。

まとめ

尿検査をする猫

猫のストルバイト結石は、猫の深刻な尿路疾患を引き起こします。一度結石ができて腎臓や尿管に詰まると、排尿困難や血尿、無乏尿などの症状があらわれ、最悪の場合尿閉塞となり命に関わる恐れもあります。

さらにストルバイト結石は猫の食性や生態的な背景から発生しやすいため、飼い主の日ごろから予防対策が重要です。

また尿路結石症が軽症の段階であれば食事療法で治せることが多いですから、もし症状があれば、すぐに獣医師に相談してください。日頃から猫の様子をよく観察し、猫の健康を守りましょう。


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