連日30度以上の異常な暑さが続くドイツ。筆者の住むベルリンの近距離電車や地下鉄には冷房がなく、うだるような暑さに現地の人々はじっと耐えています。バスや路面電車ではエアコンが効いていることが多いですが、冷房能力を超えた暑さのせいなのか、それほど涼しくないことが多いです。現代のほとんどのクルマにはエアコンが装備されていますが、エアコンのない古いクルマたちからすると、なかなか厳しい季節ですよね。


シトロエン2CVやフィアット500のように、エアコンがないクルマの暑さ対策としては、とにかく「屋根を開けること」に尽きます。日差しの強い場合はそれも限界があるとは思いますが、今回ご紹介するクルマもその例に漏れず、太陽の下で幌を全開にして停まっていました。ドイツが誇る名車中の名車、フォルクスワーゲン・タイプ1のカブリオレです。


ドイツでの愛称は「Käfer(ケーファー)」



フォルクスワーゲン・タイプ1、と一般的に言われているクルマの正式名称は、「フォルクスワーゲン1303S」というように、フォルクスワーゲンの後ろにただ単に数字とアルファベットが付くだけのものでした。この個体の場合は「フォルクスワーゲン1302LSカブリオレ」というのが正しい呼び名なのですが、やはり英語圏で呼ばれている「ビートル」「バグ」や日本での「かぶと虫」という名前の方がやっぱり馴染みがありますよね。ドイツでの愛称は「der Käfer(ケーファー)」で、かぶと虫やてんとう虫、こがね虫などの甲虫を意味します。ちなみにタイプ1はドイツ語で「Typ eins(テュープ・アインス)」といいますが、多くの人々はもっぱら「Käfer!」と呼んでいますね。


フォルクスワーゲン・タイプ1のカブリオレモデルは、ヘブミューラー製の2座席タイプと、カルマン製の4座席タイプの2種類が生産されました。写真の個体はカルマンで生産された4座席タイプです。リアに「VW1302LS」のエンブレムが貼られていますが、それによれば1970年から1975年まで生産された当時の高級仕様「LS」モデルということになります。パワーユニットは開発当初の1.5倍以上にも拡大された1,584cc空冷水平対向4気筒エンジンで、最高出力50馬力を発生。最高速度は135km/hに達していました。


幌を開けたまま駐車…大丈夫?



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情報提供元: CL
記事名:「 「Käfer」の愛称で親しまれる、ドイツの誇る名車「フォルクスワーゲン・タイプ1」!そのカルマン製カブリオレをご紹介