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プジョー205というと、皆さんはどんなイメージを持っていますか?プジョーのスポーツイメージを確立させ、日本市場でも人気の高かった205GTI。ピニンファリーナによる美しいスタイリングで女性からも支持されたカブリオレ。WRCのグループBを荒らし回り、グループB消滅後もパリ・ダカールを2連覇した205ターボ16(マーケティング効果を狙っての外観やネーミングなので、市販車の205とは構造的にまったくの別物なのですが…。)筆者自身もそうした特別なモデルの印象が強いのですが、一方で205は全世界で528万台弱を売り上げ、1970年末台に赤字を抱えていたプジョーを救った「偉大なるベーシック・ハッチバック」でもあるのです。
写真の個体は、プジョー205のラインナップの中で、装備を簡略化した日本未導入の限定モデル「ルック」です。1.1リッターの60hpガソリンエンジンを搭載したごくベーシックなモデルで、205GTIなどに見慣れた目から見ると、クリーンで素朴な雰囲気が逆に魅力的ですね。リアのテールランプやフロントウィンカーの形状から、1990年以降に生産されたモデルだと思われます。13インチのタイヤはホイールアーチ内の空間が大きくスカスカですし、サイドの簡素な「LOOK」ステッカーや色褪せたバンパーは、いかにも「フランスの大衆車」といった風情にあふれています。こうしたベーシックなグレードがもっと積極的に日本に導入されてほしい、と思うのは筆者だけでしょうか?