イスラエルで始めたヨガ。寿司屋とヨガを掛け持ちする生活とは?

「デキる人は、ヨガしてる。」(著:石垣英俊、及川彩)より


ヨガをなぜ始め、続け、そして伝えるのか。「デキる人は、ヨガしてる。」の著者2名によって、ヨガのエキスパートにインタビューを行いました。


 


お話を伺った人:しんのすけさん

イスラエルのシバナンダヨガセンターにて指導を始める。IYC のインストラクターとして 2009年より 2016 年末まで IYC 九段飯田橋スタジオにて毎朝の早朝マイソールクラスを担当。




 


―イスラエルでヨガを始めたとうかがいました。当時は何をされていたのですか。


 


私はバックパッカーで海外をよく旅行していたのですが、当時は日本のヘルシーフードを海外に広げたいと思って、友人2人がオーナーをしているイスラエルの豆腐工場で働いていました。肉体労働だったので、毎日疲れて家に帰っていたし、海外で寂しい気持ちもあって、何か始めようとスポーツクラブに行ったんですね。そのクラブのプログラムで、ヨガに出会いました。最初のレッスンから、「これだ!」と思いましたね。


 


―そうだったのですね。一時期、寿司職人をされていたともうかがいました。


 


豆腐の仕事を5年ほど続けた後、ヨガの学びを深めたいと思い、インドにヨガを勉強しに行ったんです。そしてイスラエルに戻ってきて、ヨガの指導をするようになれたのですが、それだけでは生活ができなかったので、日本人であることを活かした仕事をしようと、寿司職人としての修業を始めたんです。良いお寿司屋さんのマスターとの出会いもあって。その頃からイスラエルでも寿司は流行っていました。週に4・5日、昼はニューヨークスタイルの寿司屋で働いて、夜は自宅を改造したスタジオでヨガを教える生活を3年ほど続けました。


 


―なるほど。その後、日本にはいつ頃帰ってこられたのでしょうか。


 


今から10年ほど前の2006年です。寿司屋とヨガインストラクターを掛け持ちする生活を続けていたのですが、段々ヨガに対する思いが強くなり、2006年に再びインドにヨガの勉強に行ったんです。アシュタンガヨガの総本山であるマイソールに1ヵ月ほど滞在したのですが、その時、日本人のヨガインストラクターの先生方と出会ったんです。特にケン・ハラクマ先生との出会いは強烈で、先生について学びたいと、心の底から思いました。それがきっかけで、イスラエルに戻ってから約半年後に日本に帰ることにしました。


 


―日本に帰国されてから、すぐにヨガの指導を始められたのでしょうか。


 


帰国して、ケン先生の元でヨガを学ぶ生活がスタートしたのですが、初めからヨガを仕事にできたわけではありませんでした。ただ、ヨガを仕事にしたいとは思って、すぐに探しましたね。電話帳を持ってきて片っ端から電話をしたり。行動すれば何かに繋がるもので、地元のフィットネスクラブで少しお仕事をいただいたり、公民館のようなところで、自分で無料のセミナーをやったり、サークルを立ち上げたり。そんなことをしていたら、通っていたヨガスタジオ(IYC)で、ありがたいことにヨガ講師として指導をする機会をいただけるようになり、今に至ります。今の私があるのはケン先生のおかげなので、ケン先生には感謝してもしきれないほどです。


 


―そんな経緯があったのですね。本書では特にビジネスパーソン向けにヨガの智慧を伝えることを目的としているのですが、ヨガの魅力をどのように感じられていますでしょうか。


 


ヨガをすることと、自然の中に身を置くことは、「本来の自分自身を取り戻す」という意味において似ていると思うんです。大自然の中にいると、自分も自然の一部だと思えますよね。ただ、東京のコンクリートの中で生きていると、自然のエネルギーが足りなくなって、段々弱ってきてしまう。だから、時々チャージする。遠くに行けば行くほど、本来の自分はわかるものだと思うんです。僕にとってその横軸は旅で、体を使って旅することで中心から離れる。そして縦軸がヨガです。遠くへ行けば行くほど、中心から離れれば離れるほど、中心にある本来の自分がわかるような気がするんです。


 


―なるほど。最後に、しんのすけ先生にとってヨガとは一言でいうと何でしょうか。


 


ツールであり、自分の宝のようなものです。ヨガ的にも体は魂の乗り物という考え方があるように、肉体レベルでのヨガのアーサナはもちろん大切ですが、アーサナの完成が最終的な目的や目標ではなく、大切なのはその実践を通して習得した肉体(とその機能)を使って、本当の自分(魂)がどこへ行きたいのかを知ることだ、と思うようになりました。私はヨガというツールを使って、ヨガに限らず様々な世界の人逹と交流したいと思いますし、ヨガのクラスに来てくれる生徒さん逹には肉体という乗り物の乗り方のコツを伝えることにより、皆さんが自由に自分らしく生きていけるようお手伝いができたらと思っています。





しんのすけ Shinnosuke


2002 年インド・ケララ州のシバナンダアシュラムにて TTC 修了後、当時滞在していたイスラエルのシバナンダヨガセンターにて指導を始める。2006年インド・マイソールにて Shri K  Pattabi  Jois より指導を受ける。同年日本に移住。東京・荻窪のIYC(lnternational Yoga  Center) にてケン・ハラクマ先生に師事、IYC のインストラクターとして 2009年より 2016 年末まで IYC 九段飯田橋スタジオにて毎朝の早朝マイソールクラスを担当。2017 年から立川を中心に東京・多摩地区の定期クラス及び日本各地でワークショップ、リトリートを展開予定。一生付き合ってゆける効率的な身体作りをテーマに実践と指導を心がけている。



 









『デキる人は、ヨガしてる。 (Business Life)』

(クロスメディア・パブリッシング)






情報提供元: BUSINESS LIFE
記事名:「 イスラエルで始めたヨガ。寿司屋とヨガを掛け持ちする生活とは?
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