12年間にわたり世界中をめぐっている著者が、現地の健康&食べもの情報を毎週お届けします。


 


軽キャンピングカーで、世界半周中のアウトドア・トラベラーです。


市長が祈祷師を呼ぶほど、水不足のケープタウンにいます。


「このまま雨が降らなければ来月にはダムが空になる」と、家主から節水のお達しがありました。


心得ました。滅多なことでは、シャワーを浴びません。


小便ごときでは、水を流しません。


ついうっかり小便で水洗したときは、手を洗わぬ所存です。


 


コーヒー・プランジャーの相棒を求めて出会ったのは…

 


2016年にアイスランドを一周したとき、合流した旅友の差し入れが、東京は麻布の有名コーヒー。


朝靄の中で寒さに震えながら飲んだ一杯は、人類が滅亡した地球に我らだけが残ったかのように、格別でした。


以来、夜明けのコーヒーが癖になり、2017年のサンタクロースにお願いしたのが、コーヒー・プランジャー。日本ではあまりお見かけしませんが、コーヒー、紅茶用の急須です。カップにコーヒーを注いだとき、金網が粉の流出を防ぎます。


 


別名フレンチプレス。身銭を切った自作自演のクリスマス・プレゼントです。日本円でおよそ500円。新品でこのお値段は、奇跡です。

 


ついでにコーヒー・プランジャーにあいそうな、小ぶりのマグカップを探しました。ダウンタウンを歩き回った末に場末のスーパーマーケットで見つけたのが、下の写真です。


 


商品名は、「SPREAD WITH COCONUT」。ココナツ・ペーストと訳したらいいでしょうか。

 


この空き瓶をコーヒーカップにする、リサイクル作戦です。飾り付けのないスケルトンなおシャレ感、旅に重宝する蓋つき。


 


甘い麻薬「砂糖」に興奮したら、シュガー・ハイ。

 


我が家の朝食は、健康食のミューズリーが定番ですが(ミューズリーについての記事は→「煩悩が減った気がします、 旅にオススメの健康食「ミューズリー」。医者が開発!」)、瓶欲しさにココナツ・ペーストを買ったので、クロワッサンに変更。


これが想定外に美味しくて、朝からモリモリ食べています。


ペーストのココナツ風味は控えめながら、味蕾を覆い尽くす甘さ。癖のない味が癖になりました。


内容表示によると、100g中51.2gが砂糖。半分以上!


スーパーマーケットで隣の棚に並んでいるライバル、ピーナッツバターの3倍以上!


砂糖ほど健康オタクに評判の悪いものはないものでして、食欲が増したぶん不安です。


 


砂糖の悪行その1は、アメリカ人の親御さんがもっとも恐れるシュガー・ハイ。


砂糖が興奮剤となり、お菓子を食べた子供がハイテンションになることです。


確かにココナツペーストをべったり塗って、朝からおだってました、私。おっさんですけど。


また、癖のない味が癖になると韻を踏んで喜んでいたら、砂糖の別名は「甘い麻薬」。依存症があります。


それで、朝っぱらからお代わりしてたのです。


 


イギリスは砂糖断ちを決意し、2018年の4月から砂糖税を導入します。


似たような税は他の国にもあり、インドでは肥満税。メキシコやフランス、ハンガリーではソーダ税と呼ばれ、世界規模で煙たがれる砂糖です。


 


高血圧の真犯人は、砂糖!

 


砂糖の素行の悪さは、「砂糖の食べ過ぎ→他のミネラルを減らす→やたら血液中の塩化カリウムが濃くなる→血管が膨張して内径が狭くなる→血圧が上がる」です。


つまり高血圧の一因です。


健康素人の筆者は、先週まで高血圧の犯人は塩だと信じていましたが(高血圧についての記事は→「「塩分の摂りすぎ」は、高血圧の犯人じゃない!? その根拠は長野県にありました。」)、真犯人は砂糖でした。


高血圧を引き起こしながら、肥満や糖尿病の原因にもなるマルチな調味料、砂糖。甘い顔はできませんです。


 


清涼飲料水として活躍する「果糖」が危ない。

 


砂糖は、いくつか種類があります。


特に問題視されるのが、果糖


ここ重要です、「佐藤より加藤こそ問題児」と覚えてください。


果糖はほかの砂糖類に比べると甘みが強く、冷えても甘みを損なわない働き者。清涼飲料水として活躍しています。


だからソーダ税なんてものがあるのかと他人事のように頷いていましたが、思い起こせば去年、死ぬんじゃないかってくらい清涼飲料水を飲んでいました、毎日。


西アフリカが死ぬほど暑かったからで、生涯に飲んだコカ○ーラの半分は、去年です。


 


ハチミツの40%以上が、果糖。

 


清涼飲料水に続く果糖の伏兵は、ハチミツ


果糖の含有量40%以上。ハチミツは別に好きでもなんでもないのですが、妻Yukoの大好物です。


もし独身だったら1年に1mgも口にしない自信がありますが、今回の大陸横断ドライブでは、預金を切らしてもハチミツは切らすなってくらいの常備品。


運の悪いことにハチミツほど手に入れやすいものはなく、シベリアの針葉樹の森の、熊さえ見かけないような辺鄙な土地でも、ハチミツ売りがいます。


産地直売の超天然もの。


これがまた美味いこと。


生涯に食べたハチミツの半分は、この2年半です。


 


果糖の王様は、ドライフルーツ。

 


旅重なる果糖攻撃で、高血圧、肥満、糖尿病の三冠王を手に入れそうなボクらに、トドメをさしたのがドライフルーツ


ドライフルーツは、果糖の王様です。


とくにマンゴーとレーズン。


例によって筆者はまったく興味がないのですが、っていうか食べたこともなかったのですが、Yukoの大好物。


いつでもカバンの中にドライマンゴー。


けっこう値段が張るので、健康にならなきゃ損とばかりに、余すことなく栄養分をしゃぶり尽くしてました、ハンドルを握りながら。


生涯に食べたドライマンゴーの9割9分9厘は、去年です。


 


というわけで、果糖よりYukoが問題です。


石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー。1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。出版社勤務、デザイン事務所、編集プロダクションなど複数の会社経営の後、2005年4月より建築家の妻と夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。世界中の生の健康トレンド情報をビジネスライフで連載中。

情報提供元: BUSINESS LIFE
記事名:「 怖いのは、砂糖より「果糖」! 高血圧&シュガー・ハイをもたらす”甘い麻薬”に要注意。