欧米でも増えるヨガスタジオ。「責任ある立場の人こそヨガが必要」な理由


 「デキる人は、ヨガしてる。」(著:石垣英俊、及川彩)より



ヨガをなぜ始め、続け、そして伝えるのか。「デキる人は、ヨガしてる。」の著者2名によって、ヨガのエキスパートにインタビューを行いました。



お話を伺った人:ヤスシ

スタジオ・ヨギー/ヨギー・インスティテュート エグゼクティブ・ディレクター。




 


―ヨガを始められたきっかけについて教えていただけますでしょうか。


 


1987年から私はニューヨークに留学しダンスを学んでいたのですが、その3年後に通っていた学校のカリキュラムにヨガが加わったのです。


体が硬かったので、ヨガをすれば柔軟性が得られるかなと思い、ダンスのトレーニングの一部としてハタヨガを取り入れました。それがきっかけです。


それ以前から東洋的なものに興味はあったのですが、フィジカル・トレーニングの一環として取り入れたのが最初ですね。


 


―そうだったのですね。ヤスシ先生は現在、ニューヨークにお住まいとのことですが、ニューヨークのヨガ・シーンはいかがでしょうか。


 


私がヨガを始めた1990年代からヨガスタジオはちらほら見かけましたが、2000年になる直前に一気に活気づいた感があります。その後、2001年に起きた同時多発テロで、ニューヨークのビジネス界はかなり打撃を受け、色々なお店が閉店に追い込まれたりもしたのですが、ヨガスタジオは幸いにもあまりその影響を受けませんでした。


多くの人が心身ともに傷ついていた時、ヨガは心の拠り所として求められていたのだと思います。なので、ニューヨークにおいてヨガは、その頃から安定した市場ができていて、もちろん新しいスタジオができたり、過去にあったスタジオが閉まったりという新陳代謝はあるのですが、スタジオの数やインストラクターの数、スタジオに通う方々の数も、一定数を保っている、もしくは増え続けている感じです。


 


―なるほど。ヤスシ先生はダンスの学校でヨガに出会われたとのことですが、その後、ヨガを指導する立場に至った経緯はどのようなものだったのでしょうか。


 


ダンスの学校を卒業してから、プロのダンサーとして生活をしていたのですが、ヨガには魅力を感じていて、時間があればヨガのクラスには行くようにしていましたね。ダンスを続けてきて30歳を迎える頃、35歳位には将来のヴィジョンを持っていたいと考えました。


ダンスの舞台のキャリアを終えた後は、「ダンスの先生になる」「理学療法士になる」あるいは「マッサージ・セラピストになる」、この3つの選択肢が私の周りでは多かったと記憶しています。ただ、私は魅力的なヨガの近くにいたいなと思っていました。私がヨガを教わった先生方には素敵な方が多く、その方々のように生きたいという気持ちがありました。生徒として取り組むだけでなく、指導者になればヨガに従事する者として人のモデルにならなければいけないわけですから、ある意味、生き方をごまかせないなと思い、ヨガの指導者になるためのトレーニングを始めました。


 


―そうだったのですね。ヤスシ先生は現在、様々な方にヨガの指導をしていらっしゃると思いますが、ビジネスパーソンにとってヨガは必要だと思われますか?


 


ビジネスパーソンに限らずですが、責任ある立場の方には、卓越した自己管理能力が求められますよね。新しいアイデアを出して事業を進めることもそうですし、人を引っ張っていくのもそうです。クリエイティヴィティが要求され、自ら先陣を切っていかねばならない方は健康面だけでなく、精神面でも強くなくてはならないし、集中力も保ち、状況に対し柔軟でなければならない。


そういった方に、ヨガは絶対に必要だと思います。15年位前、どこかの空港でゴルフバッグにヨガマットを括りつけて歩くデキそうなビジネスマンを見かけたことがありました。その光景を見たとき、「やっぱりな」と思いました(笑)。


 


―そうですね(笑)。実際にヨガをされているかどうかによらず、ヤスシ先生が「ヨガ的」と思われる方はいらっしゃいますでしょうか。


 


ニューヨークでもIT業界などで成功されている方は、早起きをして、エクササイズをして、瞑想をして、食事に気を配っている、と聞きます。そのような自律的な方は、ヨガ的といえるかもしれませんね。


 


―ヤスシ先生ご自身が日頃から実践されている、ヨガ的な習慣は何かありますでしょうか。


 


早起きや瞑想、食事といった生活習慣以外の面でいうと、人と接する際には相手の良いところを探すようにしています。私は人と接するとしばしば先入観を持ってしまい、自分がそれに縛られる傾向があるのですが、自分の印象で相手を簡単に決めつけないよう、判断しないよう努めています。


特に生徒さんを指導する際など、いかにしてこの方をより理解できるかなと考えて接するようにします。それによって結果的に自分の先入観から救われることも多いんですよね。日常的に自分にとって不必要な癖を意識し、改善の道を探るよう努めています。


 


―ありがとうございます。最後にヤスシ先生にとって、ヨガとは一言で表現すると何でしょうか。


 


生きていく上で自分の道を照らしてくれるライトのような、ロウソクのようなものです。ヨガそのものが師だと思っていますし、人生の道標ですね。





ヤスシ Yasushi

スタジオ・ヨギー/ヨギー・インスティテュート エグゼクティブ・ディレクター。1987 年、ダンス留学のためニューヨークへ移住。ダンサーとして活動するほか、振付家の助手として指導も行う。ダンスキャリアと並行して 1990 年からヨガをスタート。1999 年、ワールド・ヨガ・センターでティーチャー・トレーニング 15 ヶ月コース修了。ニューヨークのさまざまなヨガスタジオでクラスを担当するようになる。2002 年には 12 ヶ月のアヌサラ・ティーチャー・トレーニング・コースを修了し、2007 〜 2013 年アヌサラヨガ正式認定指導者として活動。2004 年、スタジオ・ヨギーのエグゼクティヴ・プログラム・ディレクターに就任。ニューヨークと日本を往復しながら後進の育成に努める。

 









『デキる人は、ヨガしてる。 (Business Life)』

(クロスメディア・パブリッシング)






情報提供元: BUSINESS LIFE
記事名:「 欧米でも増えるヨガスタジオ。「責任ある立場の人こそヨガが必要」な理由
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