<とっておきメモ>
<ヤクルト2-0広島>◇15日◇松山
ヤクルト村上宗隆内野手(24)が、通算200本塁打を達成した。5月4日中日戦(神宮)以来の9号。1-0の8回裏2死、広島矢崎から右中間にソロを放った。24歳3カ月での大台到達となり、92年清原和博氏(西武)の24歳10カ月を抜き、プロ野球史上最年少記録。キャリア7年目で、レジェンド超えを果たした。
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ボクサー同様に村上も“グローブ”に繊細な感覚を求める。バッティングに欠かせないミズノ社の打撃用手袋。何よりこだわるポイントは「より素手に近いか」。現在使用するものは表が紺ベースで、手のひら部分は白色。同社製品では手のひら部分は白以外に、黒や赤などのラインアップがあるが、村上は白一択。黒、赤色は白を染めたことで出来るカラーリングだから。
「染めることで硬さが出る感じがする。白の方がしっくりくる」。同社担当者は「何百人と選手を見てきたが、そんな感覚を持つ人は聞いたことがない」と驚きを隠せない。
わずかな染料まで感じてしまう神様のサイジングは言わずもがな。他人がはめようとすると「村上選手って意外に手が小さいんですね」と驚くほど。手首のベルトはよりフィット感を出すよう作られ、全体的なサイズ感もピタピタ。打席の中では多くの選手が1球ごとに手袋をキツく締め直すが、村上はあまり手袋を触らない。余白が出来ないほどのサイズ感だからこそ、相手バッテリーの配球などに注意を払える。バットを握りしめる真っ白なグローブが、伝説の立役者となった。【栗田尚樹】