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ZOZO前澤社長、プロ野球ロッテ200億円買収のアドバルーンは大失敗?球界から漏れ聞こえてきた”不信感の種”



人気低迷が囁かれて久しいプロ野球だが、先月の交流戦の観客動員は325万人を突破、こと千葉ロッテマーリンズに限っては34.9%の急増と健在ぶりを示している。そんなプロ野球界の今オフの台風の目となりそうなのが、前澤友作氏率いるZOZOTOWNの球界参戦だろう。


前澤氏は7月17日にTwitterで「プロ野球球団を持ちたい」と宣言。千葉への「地元愛」を公言し、マリンスタジアムのネーミングライツを31億円(10年)で購入していたことから、ロッテへの買収かと話題を呼んだ。そんな中、24日にサンケイスポーツ・植村徹也記者が、ZOZOTOWNによる千葉ロッテ買収交渉の存在をすっぱ抜き、騒動が広がっていたのだ。


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— 産経新聞購読申込受付[ニュース速報] (@sankei46) 2018年7月24日


千葉ロッテは04年には40億円もの赤字を出し、観客動員で盛り返した16年でも5億円の赤字とのデータ(収支非公開)もある。過去にも買収の相談や提案は複数あり、千葉市を巻き込んだ市民球団構想や上場などいろんなアイデアも出ていた。


だが、そもそもZOZOTOWNは「横車を押すようなもの」(球団関係者)で、千葉ロッテは現在交渉を進めたり提案を受けている会社がある中で、ZOZOTOWNの「200億円買収提案があり、ロッテが断ったという話だけが独り歩きしている」(球団関係者)と、ロッテ側は不信感を隠さない。







■ロッテが「球団」だけを売れない理由、ZOZOが「球団ブランド」を欲しがる理由


というのも、千葉ロッテには球団をおいそれと売れない事情がある。苦境に陥っている韓国本国のロッテだが、借り入れでは、借り入れの条件契約や新規借り換えのコベナンツ条項の中に「日本でのマーケティング上重要な資産」として球団としてのロッテも含まれており、これ単体では売却する判断ができないことになる。


そうなると、ZOZOTOWNが千葉ロッテ球団が欲しいとして200億円の価値をつけたところで無理な話。筋論としてロッテグループの日本支社全体を買ってほしいという交渉になるのはロッテ側からすると当たり前で、だとすれば報じられた金額の10倍、2,000億円は下らないディールになるのだ。


他にも身売りの話が絶えない球団があるが、首都圏にある球団も、大株主である外資系企業から「見た目の赤字以上のマーケティング上の価値があり、重要な資産であって、無断の譲渡は認められない」と釘を刺されている。


過去の球団売却の話が出たケースでは、南海、近鉄、阪急の場合は関西ローカルの私鉄でマーケティング価値は乏しかった。大洋漁業からTBSに譲渡されたホエールズも長らく球団経営の不振だけでなく地元地権者の暴力団問題に苦しめられてきたため、球団売却はやむなしという判断となった。


だが、今回のZOZOTOWNの話は別だ。すでに球団ブランドがマーケティング上、非常に価値のある有用なものだという理解が進んだ後の話であり、特にZOZOTOWNは通販だけでなく、18年度からPB(プライベートブランド)展開も始めている。ZOZOTOWNの経営上、プロ球団は喉から手が出るほどほしいブランドであり、同列に考えることはできないだろう。







■立ちはだかる壁「オーナー会議」、前澤氏はホリエモンと同じ轍を踏む!?


前澤氏の球界参戦にとって、最大の壁となってくるのがオーナー会議の存在である。野球規約には第6章の「参加資格」には専用球場の保持などのほか、参加したい年の前年の11月30日までにオーナー会議の承認を得なければならないことなどが記されている。


04年に近鉄が売られた際は、今回のZOZOTOWNと同じくスポーツ紙に交渉の事実を先にスクープされて表面化。当時球界の有力者だった読売新聞・渡邉恒雄氏とオリックス・宮内義彦氏による「10球団構想」に対し、選手会が大きく反発する流れがあった。


その際に悪評の立ったライブドア(当時の堀江貴文氏が代表取締役)はスポーツ紙に「近鉄買収」と奇襲的なパブリシティを行ったために、交渉の事実を先出しされた近鉄ほか球界関係者の反発を強く買い、球団買収に頓挫したどころか球界再編の芽を摘む動きになってしまった。この時、オーナー会議は加盟申請を出したライブドアと楽天のうち、楽天のみの正式参入を認める決定を下している。


SNSとマスコミ先行の買収交渉リーク、また堀江氏が「16球団化のキーマンを前澤さんに紹介しときましたよ」などと安易に呟いていることなど、頭の固い球界の旧勢力が苦虫を噛み潰してる様子は想像に難くない。







■「野球に関心がない」前澤氏は球界の救世主となりえるか!?


04年の球界再編の際にも「プロ野球の危機」と囁かれたが、現在の球界は地上波視聴率の低迷やプレイ人口の減少などそれ以上の危機に瀕している。この状況で、ZOZOTOWNは野球人気回復の救世主となり得るのか。


しかしながら、前澤氏は「間違いなく野球に関心はない」(前澤氏を良く知る上場企業経営者)「”千葉愛”を繰り返されるのはむしろ迷惑」(NPB関係者)と、マーケティングで必要だから千葉の球団に手を出した感は否めない。いまは好調なZOZOTOWNも少し悪くなったら球団を放り投げてしまうのではないかという不信感も根強い。またSNS上では、”未成年利用可能な借金”だと社会問題化した「ZOZOツケ払い」や、定価では割高な在庫処分品を売りつける「定期便」などのZOZO商法を疑問視する声も聞かれる。


もちろん、楽天やDeNAでも球団参入時に批判に晒されたのは記憶に新しい。とりわけ、DeNAは参入時に「子供だましのビジネス」として強い批判を受け、渡邉恒雄氏に自社サービス「Mobage」を「モガベー」と発音されるなど、浸透に長く時間がかかった。


前澤氏が「球団経営を通して、ファンや選手や地域の皆さまの笑顔を増やしたい」と語るように、ZOZOTOWNもいざ球団を買収してみれば、DeNAのように愛される球団経営を貫徹して多くのファンが喜ぶビジネスにできるかもしれない。しかし、しょっぱなのところで交渉内容を漏らしてしまうようでは信頼関係を築くことは難しいのではないかという懸念は残る。


NEW'S VISION編集部の取材に対し、ZOZOTOWNでは「(社長のSNSでの話であり)会社の方からは今のところ何も発表はありません。(マリンスタジアムを持つ)千葉ロッテさんとの関係も新しいことは何も発表していないので、現状と変わりません」(スタートトゥデイ広報IR)と、あくまで社長個人の発言であることを強調していた。


また千葉ロッテマリーンズの方は「売却の話は過去にもいただいておりません。河合オーナー代行、山室社長が記者会見で否定していますように、今後も含めて売却は一切ございません。(ZOZOTOWN=スタートトゥデーは)今後の取り組みは特にございませんが、ネーミングライツをお持ちくださっているスポンサー企業として良い関係を築いていきたいと考えております」(インフォメーション)と書面で回答した。


すでに日本一を達成しているソフトバンクに楽天、それにDeNAも昨年日本シリーズに進出と、IT企業による運営は球団にとって良い結果を生む面も多い。今オフの進展が球界とファンにとって、望ましい結果になることを祈りたい。


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