社会人になると、新しい言葉を使う機会が増えますよね。使い慣れていない言葉を無理に使い、大事な場面で恥をかいてしまった……。なんていう人も少なくないのでは? そこでTABIZINEでは、知っているようで意外と知らない頻出ワードを徹底解説! 今回は、同じ漢字を使っているものの、違いに気をつけたい「保留」と「留保」について、日本語に関する著書も多数手がけている、国語講師の吉田裕子さんに解説してもらいます。
「保留」の意味
【例】
質問への回答は保留された。
「留保」の意味
「留保」は、すぐその場で行わず、一時差し控えること。
また、法律用語として、権利や義務を残留・保持すること。国際法においては、多数国間の条約において、ある国が特定の条項を自国には適用しないという意思を表明すること。
【例】
条約への加盟を留保する。保留すること。
参考:
「保留」と「留保」の使い分け方
「留保」の辞書を引くと、「保留」という語義が出てくるように、2つの言葉の意味するところはよく似ています。しかし、使われる場面が大きく違っています。
そのため、恋愛で告白をしたときに「返事を保留にされた」は自然ですが、「返事は留保された」というと違和感があります。
【クイズ】より適切なのはどっち?
【答え】
1→保留
2→留保
監修:吉田裕子先生
国語講師。都内大学受験塾・カルチャースクールで講師を務める他、書籍執筆、講演、企業研修、三鷹古典サロン裕泉堂の運営などの活動に取り組んでいる。NHK Eテレ『知恵泉』、NHK‐FM『トーキングウィズ松尾堂』など、テレビ・ラジオにも出演。著書に『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)や、『大人に必要な読解力が正しく身につく本』(だいわ文庫)など多数。
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