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米専門誌で14年連続第一位! 一生に一度は行くべき日本庭園の正体




はじめに


島根県の静かな街に、たくさんの外国人観光客が訪れる美術館があるのをご存じですか。日本画のコレクションの素晴らしさもありますが、この美術館の最大の魅力は日本庭園。アメリカの日本庭園専門誌に14年連続で日本一に選ばれたという庭園は、造形美と自然が織りなすアートとして注目されています。

文/田口真由美
写真提供/足立美術館
創設者の想いに溢れる、私設美術館

創設者の想いに溢れる、私設美術館


島根県最東部に位置する安来市は、ドジョウすくいの民謡「安来節」で知られる町。この町に昭和45年に開設されたのが、地元出身の実業家、足立全康が私財を投じて作り上げた、足立美術館です。足立氏は58歳の頃より日本画を蒐集し、その情熱は91歳で亡くなるまで半端なものではなかったとか。特に日本画家、横山大観の作品は120点以上所蔵し、日本随一のコレクション数を誇ります。そして日本画の美と共通すると足立氏が心血を注いで作り上げたのが、美術館のもうひとつの見どころである日本庭園です。 14年連続日本一に輝いた、5万坪もの日本庭園

14年連続日本一に輝いた、5万坪もの日本庭園


足立美術館には、6つの庭園が館を取り囲むように広がっています。枯山水庭のほか、横山大観の名作「白沙青松」をモチーフに作り上げた庭や苔庭などがあり、その広さはなんと5万坪を誇ります。その手入れすべてを6人の専属庭師たちが毎朝開館前に行っているそうです。庭木はもちろん、借景となっている里山に伸びる一枝まで整えているという徹底ぶり。アメリカの日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」にて京都の名園などをおしのけ、2016年まで14年連続で日本一に選ばれるほどです。夏は新緑、秋は紅葉と季節の彩りが庭に風情を与えてくれます。 四季折々で変化していく、生の額絵

四季折々で変化していく、生の額絵


館内のさまざまな場所から庭園を望むことができますが、そのどこから眺めてもそれぞれの趣があり、気に入った窓の前にたたずんで、ゆっくり過ごす人もいます。「庭園もまた一幅の絵画である」と言ったのは創設者の足立氏。その言葉通り、窓枠が額縁となり、窓から見える庭園はまるで絵画のよう。館内にある茶室には縦長の窓から庭が望め、「生の掛軸」と称されています。時間帯や季節で変化していく、生きた額絵が館内に点在しているというわけです。 茶室や喫茶室でお茶を楽しみながら鑑賞を

茶室や喫茶室でお茶を楽しみながら鑑賞を


館内には2つの茶室と喫茶室があり、庭園を望めながら抹茶やデザートを楽しむこともできます。「茶室寿楽庵」には純金の茶釜があり、これで沸かした湯で点てた抹茶を飲むと、延命、長寿、願い事が叶うとされ、大変縁起の良いものなのだそう。また、金は錆びない(永遠である)ことから縁結びのスポットにもなっているのでぜひ立ち寄ってみてください。


◆足立美術館(あだちびじゅつかん)
住所:島根県安来市古川町320
電話番号:0854-28-7111
営業時間:9:00~17:30(4~9月)、9:00~17:00(10~3月)
定休日:なし※新館のみ展示替えのため休館日あり
入館料:大人2300円

おわりに


日本人の心と自然の美しさを表現した、絵画のような日本庭園が広がる、足立美術館。日本人である私たちも、あらためて注目するべき場所ではないでしょうか。



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