はじめに
台湾といえば美食。というイメージが定着しつつあるけれど、自然が身近なのも台湾の魅力。東部や南部はもちろん、台北からでも少し足を伸ばせぱ、亜熱帯気候ならではのエキゾチックな自然を体感できるんです。例えば、台北の南西に位置する三峽から程近いリゾート地区「大板根」。森林浴と温泉を楽しめる、「大板根森林溫泉酒店(グレート ルーツ フォレストリー スパ リゾート)」を紹介します。
三峽は、台北の南西に位置する客家の街。緻密な石柱彫刻で“東洋芸術の殿堂”と称されるお寺「三峽祖師廟」、その近くに広がる赤レンガ造りのレトロな商店街“老街”、堅焼きクロワッサンの「金牛角」……というのが、台北ローカルが抱く三峽のイメージ。
他にも、藍染めや陶器の産地として栄えてきた歴史があり、現在ではそれらも観光資源のひとつ。ところが、このあたりには、実は知る人ぞ知る、自然の癒しスポットが存在するのです。それが「大板根森林溫泉酒店」。三峽老街を南に下った地域にあり、一泊するのがおすすめのリゾート地です。
フィトンチッドを存分に! 熱帯雨林の秘境体験
エリア内には、亜熱帯地方である台湾北部でも珍しい熱帯雨林が広がっています。20ヘクタール(東京ドーム約4個分)に及ぶ森林地帯には遊歩道が設けられ、気軽に散歩が楽しめます。水のせせらぎ、鳥のさえずり、森の動植物の息づかい……豊かな自然を体感しながらのプチ熱帯雨林探検は、それだけでリラックス効果満点です。
このエリアのシンボルともいえるのが、熱帯雨林特有のクワ科イチジク属の樹木「九丁榕」。支柱根が地面から高さ180cmまで板状に伸び、垣根のように見えるのが特徴で、支柱根の高さは台湾一なのだそう。その姿は、まるで、おとぎ話に登場する、精霊の木のよう。
もう1つの注目が豊富なフィトンチッド。抜群の癒し効果があることから、ここでは『森林SPA』と名付けているほど。心をからっぽにして自然に身を委ね、ゆっくりゆったり深呼吸。自然の恵みをたっぷり受け止めましょう。
開放感あふれる“森の温泉”で、つるすべ肌に
森林浴で体の中からリフレッシュした後は、体の外からアプローチを。“森の美人湯”と名付けられたこの温泉は、日本人技師を招聘して掘り当てたもので、無色無味のお湯は、ナトリウム−炭酸水素塩水泉。古い角質がとれ、肌の透明感アップが期待できます。
ホテル内には、水着で入る露天温泉SPA、露天風呂と室内風呂を備えた大浴場、各種個室風呂があり、大浴場は会員と宿泊客のみの利用となっています(宿泊客はその他の浴場も割引あり)。ぜひとも宿泊して、景色のいい露天風呂でゆるみながら、美人を目指したいものです。
平日ならコース、休日ならビュッフェ。どちらも満足度大!
リゾートホテル滞在の楽しみのひとつが、レストランでのお食事タイム。「太子餐廳」では、平日限定のお得なコース(太子餐廳精選菜單680元+10%)が登場。
メインは羊の煮込み、スズキのムニエル、オージービーフのステーキ、アワビのウニソースがけの4品から選択でき、いずれもフランスパン、スープ、サラダ、スイーツ、季節のフルーツ、ドリンクつき。休日なら同料金で豪華ビュッフェが楽しめます。
茶文化の発展を回顧し、遠い昔の栄華に思いを馳せる
滞在の合間に時間を見つけて立ち寄りたいのが「茶業歴史文物館」。日本統治時代の1923年に三井物産が建設した製茶工場「大豹製茶工廠」に始まる台湾茶の茶葉産業と茶文化の発展をたどることができます。間近で見ることができる展示物は、この博物館の企画者である羅一倫氏の所蔵物なのだそう。イギリスから輸入した当時の最新式重油発動機、茶箱や茶具、茶葉の鑑定法の紹介などを見ていると、100年前にタイムスリップしたような気分に。
おわりに
リゾートエリアには、プールや娯楽施設、BBQスペースなどもあり、一泊では足りないほどの充実ぶり。春には螢が舞う時期もある大板根での秘境体験、新しい台湾の魅力を発見すること間違いなしです!
◆ 大板根森林溫泉酒店
住所:新北市三峽區插角里八十號
電話:+886-2-2674-9228