はじめに
滋賀県の観光スポットといえば、みなさん何を思い浮かべますか?県の6分の1を占める琵琶湖のイメージが強く、「他になにがあるの?」と思っている人も多いのでは。でも、風情があって素敵な穴場スポットがあるんです。今回は、ゆったり一日満喫できる信楽焼の里を紹介します。
町中が美術館の「信楽窯元散策路」
滋賀県の南東に位置する信楽町は、中世から現在まで生産が続いている日本六古窯(にほんろっこよう)であり、日本三大焼き物の一つでもある信楽焼の里。付近の丘陵から良質の陶土がでるために栄えた窯元(かまもと)の町です。
信楽町が「信楽窯元散策路」という観光スポットになっており、作品を飾るギャラリーやショップ、古民家カフェなど、見どころがたくさんあります。駅などにおいてあるマップを見ながらの散策がおすすめ。レンタサイクルをすることもできますよ。
古く風情がある町並に、昔使われていた登り窯(のぼりがま)があったり、信楽焼きの作品が飾られていたり、まさに“街中が美術館”といった感じです。
昔は工場(こうば)として使っていた建物をギャラリーにしているところも多く、中をのぞいてみるとレトロな雰囲気。気軽に、いろんな窯元ギャラリーを訪ねてみてくださいね。
お気に入りの信楽焼を見つけよう
信楽には20ほどの窯元があり、それぞれの作家さんにより実に個性豊かで、バラエティーに飛んだ作品が売られています。カラフルな置き物から、実用的な茶碗まで、ずらりと並ぶ姿は、まさに圧巻。器に興味がある人はもちろん、ない人でも、さまざまな作品のなかから、運命の逸品に出合えるはず。
陶芸教室を開催しているところも多いので、自分が作った“世界にひとつだけ”の信楽焼をお土産にするのも素敵ですよね。
歩き疲れたら、一息つきましょう。散策路には、休憩所があるのでそこで休むのもよし、雰囲気のいい古民家カフェでお茶するのもよし、思い思いの過ごし方をしてください。
普段の食卓に柔らかな彩を
散策路にある窯元のひとつである「ますみ窯」では、アートな作品というよりは、普段使いにぴったりな茶碗や湯飲み、コップなどを販売しています。洗いやすいようにつるつるとしており、食器洗浄機にかけてもいいというから驚きです。
食卓が華やかになるように、落ち着きながらも彩り豊かなものを作ることを心がけているそうです。並べたときに、食器によって高低差がでるように、背の高いもの低いもの、いろいろなバージョンがあります。ペアものも多いので、夫婦やカップルでお揃いにするのもいいですよね。
かわいらしい陶人形もあるので、ぜひ訪れてみてください。
信楽焼の敷石を目印に歩こう
「信楽窯元散策路」の中のろくろ坂、ひいろ壺坂、壺場坂には、信楽焼の敷石が道路に埋め込まれています。道に迷ったら、これを目印にしてくださいね!
全部で三種類の柄があるので、探すのも楽しいですよ。
そこかしこにいるたぬきからパワー注入
散策路のいたるところで、信楽焼の代表ともいえる、たぬきたちに会えます。本当にたくさんいます。なかには、これはたぬきなのか?という個性派も。見ているだけでウキウキしちゃいますよ。
たぬきは「他を抜く」の意味があり、商売繁盛の縁起物。また、「八相縁起」と呼ばれる8つの意味が、たぬきの体や持ち物にはあるそうです。笹は“災難から守る”、顔は“笑顔”、目は“正しい判断をする”、腹は“大胆さ”、徳利(とっくり)は“徳”、通帳は“信用”、しっぽは“しっかり終える”金袋は“金運”を意味するそうですよ。知っていましたか?
何気なく見かけるたぬきにも、こんな意味があると思うと、なんだか御利益がありそうですね。
「信楽窯元散策路」の公式ホームページはこちら
信楽の里に泊まろう
一日の締めくくりは、宿に泊まってゆっくり旅の疲れを癒しましょう。
信楽高原鉄道信楽駅から徒歩約10分ほどに位置する「炎の里信楽の宿 小川亭」。散策路から歩いて行くことができます。
風情ある木造建築の一部は、江戸時代からの歴史があるそう。ここでも、伝統工芸士の作品から新進気鋭の若手作家の作品までさまざまな信楽焼が飾られています。どこか懐かしさを感じる館内は、居心地がよく、ほっとできる空間になっています。
信楽焼の器で味わう滋賀ならではの料理
地産地消の素材をふんだんに使用した料理を味わうことができます。
信楽焼のおちょこで滋賀の地酒で乾杯!滋賀は水がキレイで、いい米も育つので、蔵元も多いんですよ。
「最高級霜降り近江牛しゃぶしゃぶ プラン」で味わえるA5ランクの近江牛のしゃぶしゃぶは絶品。美しいピンク色のお肉をさっと湯に通し、口に入れた瞬間…とろけます。さすが日本三大和牛のひとつ。すべて料理にあった信楽焼の器を使用しているので、舌だけでなく目でも楽しんでくださいね。
「あっさりきじ鍋プラン」や「近江牛サーロインステーキ会席コース」などもあるので、好みで選んでみてください。泊まれない…という方も日帰りで近江牛が味わえて、お風呂にも入れる嬉しいプランもあるので、要チェックです。
信楽焼の貸切たぬき風呂で温まる
お腹がいっぱいになったら、露天風呂にいきましょう。なんとここでも、信楽焼の浴槽のたぬき風呂…!ひょうきんな表情に思わず笑みがこぼれます。
お湯はナトリウム-炭酸水素塩泉のトロリとした感触で、肌が本当につるつるになりますよ。貸切風呂なので、周りに気兼ねなく、星を眺めてゆったりしてください。
二種類のたぬきの貸切風呂は予約制なので、チェックインの際は忘れずに!
大浴場も、美しい信楽焼のタイルという徹底ぶりも、信楽愛を感じますね。
「炎の里信楽の宿 小川亭」の詳細はこちら
今後の信楽の予定
滋賀は比較的すいていて、自分たちのペースでじっくりと見て回ることができるのも、魅力のひとつ。
4月7日(金)~9日(日)には、信楽で「第12回ぶらり窯元めぐり」というイベントが開催されます。19の窯元がそれぞれの企画で”おもてなし”をするので、ぜひ訪れてみてくださいね。
また、GWにも毎年恒例の陶器市があるので、リーズナブルに信楽焼を手に入れるチャンスです!
おわりに
信楽町はいかがでしたか?町中が美術館のような情景が、思い出に残ること間違いなしです。窯元の町の歴史を感じながら、運命の逸品に出会う旅をしてみては?