はじめに
広島県広島市内では唯一の国宝指定文化財“金堂”を誇る「不動院」は、広島市東区にある真言宗別格本山の寺院。
境内には至る所にモミジの木がある、「不動院」の魅力をお伝えしていきます♪

足利尊氏・直義兄弟による、14世紀建立の寺院
「不動院」開基は、奈良時代の僧・行基とも伝えられていますが、諸説あるんだそう。
足利尊氏・直義兄弟によって設立された安国寺の一つとされ、14世紀に建立されたと考えられています。
当時の本尊は、医薬兼備の仏様・薬師如来でした。
中世の頃は、戦国時代の戦火で伽藍が焼失してしまいましたが、安国寺仏殿として移築し、復興されたと伝えられています。
正則の祈祷僧である宥珍が安国寺に入り、主僧となります。
この時に禅宗から真言宗に改め、不動明王を本尊として「不動院」と称するようになったそうです。
被寺院として原爆被爆建物リストに登録
広島県広島市東区の「不動院」は、1945年8月6日にアメリカの原子爆弾投下によって被爆しました。
爆心地からわずか約4kmに位置し、爆風によって金堂の屋根の一部が吹き飛んだと伝えられています。
また、本堂も柱が一本折れるという被害はあったものの、倒壊は免れました。
当日は、被爆者の受け入れ先となり、境内には、たくさんの負傷者で溢れかえったそうです。
「不動院」金堂が国宝に指定されたのは、原爆投下から13年後の1958年のこと。
1993年には、広島市に現存する、被爆建物リストに登録されています。

広島県広島市で唯一の国宝「不動院金堂」
広島県広島市の「不動院金堂」は、戦国時代に建立された禅宗様建築の寺院です。
金堂の天井墨書から、天文9年(1540年)頃の建立と推定されています。
正面3間の15.5m、側面4間mの16.8mの平面構成。
その金堂に乗る屋根の大きさには圧倒されますよ!
そんな「不動院金堂」をさらに美しく引き立てるのが、境内の各所で見られる紅葉なんです♪
また、楼門や鐘楼、木造薬師如来坐像、梵鐘(ぼんしょう)が、国指の重要文化財に指定されています。
紅葉は11月上旬から徐々に見ごろに
広島県広島市にある「不動院」の境内には、モミジや桜が植樹され季節の風物詩となっています。
モミジは赤やオレンジに色づき、観光客も多く訪れることから、境内は賑やかに♪
紅葉の見ごろは、例年11月上旬~11月中旬。
また、「不動院」を会場にして、茶道教室や書道教室、仏画教室、お琴教室が開かれることもあります。
教室は、子供の参加も大歓迎だそうです♪
無料の駐車場も完備されているので、足を運びやすいですね。
◆不動院
住所:広島県広島市東区牛田新町3-4-9
電話番号:082-221-6923
真言宗 別格本山 不動院
おわりに
国宝の金堂ほか、4つの文化財を保有する広島県の「不動院」は、原爆で被爆しながらも今に続く歴史ある寺院です。
ご本尊は、厄難除災に利益のある仏様の不動明王♡
厄除けを兼ねて、広島県の「不動院」へ紅葉狩りに出かけてみてはいかがですか?