はじめに
中国にある麗江旧市街(れいこうきゅうしがい)は、漢民族とは違った独自の文化で発展した少数民族の街です。
麗江旧市街は、「水の古城」と呼ばれたり「瓦の海」と呼ばれたりする、独特の美しい景観が魅力的なんです。
今回は、そんな麗江旧市街の魅力や見どころをご紹介します。
中国の世界遺産「麗江旧市街」とは、どんなところ?
麗江旧市街とは、中華人民共和国の麗江市にあり、“麗江古城”(れいこうじょう)とも呼ばれています。
8世紀に青海省(せいかいしょう)付近から南下してきた、ナシ族によって作られました。
トナム、ラオス、ミャンマーの国教と接しており、その影響を受けて、独自の文化で形成した街並みとなっています。
また、麗江旧市街の建物に使用されている瓦は、麗江旧市街付近の土を利用しています。
その独特の土によって作られた瓦は、黒と白い粒子が混じったような、グレーがかった色なんです。
街の全景を眺められる「万古楼」から麗江旧市街の街並みを見ると、“瓦の海”という言葉がぴったりあてはまりますよ♪
中国の世界遺産「麗江旧市街」の歴史
麗江旧市街の歴史は、ナシ族ともに発展していきました。
8世紀に入ってから麗江旧市街を作り始めると、近隣の少数民族の影響を受けつつも、共生してきました。
しかし、麗江という名前で呼ばれるようになったのは、13世紀のこと。
この頃にはすでに、麗江旧市街は当時の王朝・明に支配されますが、明は直接麗江旧市街を治めることはせず、ナシ族のリーダーであった木(ムー)氏に、官職である宣慰司(せんいし)の身分を与え、この地域を統治させたのです。
その後も争いを嫌うナシ族は、近隣の少数民族はもちろんのこと、漢民族の中央政府と上手に距離を保つことで、自治権を勝ち取りました。
中国の世界遺産「麗江旧市街」に語り継がれる物語
ナシ族の人々は、母系社会のもとで“自由恋愛”が広く認められていました。
しかし、漢民族によって、中国による漢化政策を強化されてしまうのです。
ナシ族の人々は、自分たちの言葉を禁じられてしまった上、自由恋愛も否定されました。
ナシ族の若い恋人たちは、自由恋愛の禁止に絶望。
2人で一緒に永遠の時間を共にしようと、玉龍雪山(ぎょくりゅうせつざん)の麓で心中するのです。天国でも地獄でもない“第三の国”と呼ばれる場所に旅立っていきました。
その後、心中した恋人たちは、精霊となったんだとか。
こうした物語は、象形文字にして残し、語り継がれてきました。
しかし漢化政策によって、ナシ族の人々は象形文字の使用も禁止されてしまうのです。
そのため、この恋の物語を読めるのは、今やトンパ教と呼ばれる宗教の僧だけなんです。
中国の世界遺産「麗江旧市街」の見どころ
麗江旧市街には、「三眼井」と呼ばれる湧き水が通る井戸があります。
この湧き水は、標高5,000m級の玉龍雪山の雪解け水が湧き出したもの。
麗江旧市街を巡っていて、三眼井にもこの湧き水が引かれているんです。
三眼井は3つに区切られていて、上流が飲料水、中流が野菜などを洗うための井戸、下流が洗濯を行う水として利用されています。
この昔ながらの生活は現在も見ることができ、どこか懐かしい気持ちになるスポットなんです♡
中国の世界遺産「麗江旧市街」のおすすめグルメ
麗江旧市街に訪れたら体験してほしいグルメは、麗江の街に並ぶ屋台料理です。
町中が屋台のように所狭しと並んでいて、おかずやご飯ものはもちろんのこと、スイーツなども販売されています。
自分のお気に入りの1品を見つけるのも楽しいですよ。
ただし、歩くたびにいろいろな屋台から客引きがあるので、散財しないように気をつけましょう!
中国の世界遺産「麗江旧市街」を観光する上での注意事項
麗江旧市街は、標高2,400mの場所にあるため、1年を通して涼しく安定した気候です。
夏の最高気温は22℃と過ごしやすく、冬場の最低気温は1℃となっており、日本の冬場の温度とたいして変わりはありません。
しかし、6月~9月は雨のシーズンのため、雨具などの準備が必要です。
そのほかにも、紅葉の綺麗な秋に訪れるのもおすすめです。
中国の世界遺産「麗江旧市街」へのアクセス方法
麗江旧市街へは、飛行機・電車・バスを利用するルートがあります。
【飛行機を利用する場合】
一番近い空港の昆明(くんみん)空港から約45分ほどで到着できる、一番おすすめのルートです。上海の空港から麗江空港までの直行便もありますが、本数が少ないので、事前に調べておいたほうがいいでしょう。
【電車を利用する場合】
麗江旧市街に向かうには、麗江東駅を利用します。
昆明駅から麗江東駅と大理(だーりー)駅から麗江東駅を利用することができます。
駅からは路線バス13番線に乗って、「玉元橋」で下車すれば麗江旧市街に到着しますよ。
【長距離バスを利用する場合】
長距離バスも、昆明発と大理発の長距離バスがあります。
大理からは約3時間ほどで到着します。
昆明から麗江でのバス移動は約9時間ほどなので、時間に余裕がある方におすすめです。
中国の世界遺産「麗江旧市街」と併せて訪れたいスポット
麗江旧市街から12kmほど離れたところにある「白沙村」。
民族衣装を着た人々が馬や牛などを放牧する、のどかな姿を見ることができるスポットです。
また、白沙村には世界遺産にも登録されている「白沙壁画」があるんです。ぜひ、一度の旅で2つの世界遺産を制覇してみませんか?
◆白沙村(ぱいさむら)
所在地:江蘇省 蘇州市 呉中区
おわりに
麗江旧市街には、中国の都市部とは違った文化が発達していて、どこか懐かしい気持ちになる都市です。
また、その周辺も素晴らしい自然が広がっており、併せて堪能すればより一層、麗江旧市街の虜になること間違いありません。
大注目の中国の世界遺産へ、ぜひ一度訪れてみませんか?