はじめに
日本の鉄道路線をプライベートで全て乗車した鉄旅タレント木村裕子が、鉄道初心者さんでも楽しめる「おもしろ鉄旅プラン」をご提案します。今回はライトアップで幻想的な1万株のあじさいを車内から鑑賞できる箱根登山鉄道をご紹介します!
列車がビックリハウスになる大平台駅
今回ご紹介する箱根登山鉄道は、神奈川県小田原駅から強羅駅を結ぶ路線です。社名の通り、ジグザグに山を登る姿は登山する列車のよう。どのくらい登るかと言うと、始発駅から終点までは高低差が527mもあり、これはマンションに例えるとなんと175階建てに匹敵!
中でも大平台駅は、進行方向が逆になる“スイッチバック”をする駅で、標高337mの場所にあり、ホームも超坂道です。そのため3両編成の場合、運転席と車掌室の高低差は3.6mも!運転士さんの足元が車掌さんの頭より上にあるという、遊園地のビックリハウスのような面白い車内になります。
1万株のあじさいがライトアップされる特別期間
この路線の旬はまさに今。線路ギリギリにあじさいが1万株咲き、この時期だけあじさい電車も走ります。私のおすすめは6月16日~7月4日まで期間限定で走る「夜のあじさい号」で、この時は沿線6か所がライトアップされ、あじさいの見どころでは徐行や停止を繰り返し、車窓をゆっくり楽しめます。
車窓に浮かぶあじさいはとっても幻想的。途中駅ではホームに降りての撮影タイムも設けられているので、今しか撮れない1枚を狙って下さいね。夜のあじさい号は箱根湯本駅~強羅駅間を走りますが、全席指定のため事前予約を忘れずに。
雨でもOK!旅館を改造したレトロ足湯カフェ
せっかくTHE・王道温泉の箱根へ来たら温泉に浸かりたいところですが、もし時間がない場合は手軽に温泉気分が味わえる足湯カフェへ。
宮ノ下駅からすぐの場所にある「NARAYA CAFE」は、趣きある奈良屋旅館を改造したレトロでオシャレなお店です。
コーヒー、アルコール、窯焼きピザなどメニューが充実しているほか、カフェ利用者は自由に足湯に浸かることができ、しかも源泉かけ流し! テント製の屋根の下にあるので、雨でも自然に囲まれてのんびり出来ますよ。
新宿からは新型ロマンスカーGSEの展望席で
新宿から小田原までは特急列車で1時間ちょっと。ぜひ今年3月にデビューした小田急の新型ロマンスカーGSEで、優雅に移動しましょう!
この列車は、展望席が付いていて、大きな窓からダイナミックな車窓を眺められるのが特徴です。せっかくなら一番前の特等席を狙いたいですよね! 全席指定のためすでに予約で埋まっていることが多いですが、出発直前に券売機で再度チェックしてみてください。私はこの方法で、キャンセルになった特等席を何度か確保することが出来ましたよ!
最後に木村ポイント!
各駅の標高が違うので、あじさいの咲く時期もズレて長く鑑賞出来ます。塔ノ沢駅にはおもしろスポットも! ホームに鳥居があって参道に直結している深沢銭洗弁財天は、境内にザルがありそこへお金を入れて「弁天癒水」で洗うと、何倍にも増えて金運向上のご利益があるそう。雨空でもお手軽パワースポット巡りが可能です。