はじめに
今回は、ポーランドの世界遺産「ワルシャワ歴史地区」をご紹介します。
実はこちら、他の世界遺産とは違った特色を持つ場所なのです。
一体、どんな歴史的価値があるのでしょうか？
ポーランドの世界遺産「ワルシャワ歴史地区」とは？
ワルシャワ歴史地区は、第二世界大戦時に破壊された街並みを、戦前の壁のヒビにいたるまで完全に修復し、再建された場所です。
当初は、「復元文化財」であることから、世界遺産登録の基準に値しないという危機に直面しましたこともありました。
しかし、「ワルシャワ市街の破棄と復興の歴史」に価値があるという観点から、その考えが見直されたのです。
まさに、“奇跡の復元”と呼ばれる異色の世界遺産なんですね。
ポーランドの世界遺産「ワルシャワ歴史地区」の歴史
ワルシャワ歴史地区は、13世紀頃は小さな漁村でした。
その後、ポーランド王国の領土となり、急激に発展。1596年に首都となった後、18世紀には「北のパリ」と呼ばれるまでの都市へと成長しました。
しかし、ナポレオン率いるフランスやロシアの支配下となり、その後は第二次世界大戦が終わるまでドイツ・オーストリアに占領されるといった歴史があります。
終戦後はソ連の衛星国となりますが、ベルリンの壁が崩壊。1989年に「ポーランド共和国」が制定され、改めてワルシャワが首都として定められました。
幾度も占領されてきたワルシャワでしたが、ポーランドの人々は不屈の精神と愛国心を失うことなく、蜂起してきたのです。
ポーランドの世界遺産「ワルシャワ歴史地区」の伝説
ワルシャワ歴史地区の伝説といえば、やはり第二次世界大戦後の再建と復興ではないでしょうか。
ドイツ空軍によって大きな打撃を受けたワルシャワ地区ですが、ポーランドの人々の強い思いによって再興したのです。
その際、崩れてしまった煉瓦や破片をできるだけ再利用。建築学科の生徒が描いた、戦前の写生を基に、気の遠くなるような細かい作業と努力によって復元されたのです。
ポーランドの世界遺産「ワルシャワ歴史地区」のおすすめスポット
ワルシャワ歴史地区の中でもおすすめのスポットが、ワルシャワ王宮です。
ワルシャワ王宮は、16世紀に首都がクラクフからワルシャワに遷都した際に、王の居城として建造されたお城です。
以後、増改築が繰り返され、18世紀後半にはポーランド最後の王である、スタニスワフ2世によって室内に豪華な装飾が施されました。
しかし前述した通り、第二次大戦中にドイツ軍によって徹底的に大破。1971年からの復元作業によって、1988年にその姿を取り戻したのです。
現在は、18世紀当時の家具や調度品、中世に使用されていたコインなどを展示する博物館となっています。
見事に修復された美しい姿をご覧下さい。
◆ワルシャワ王宮(旧王宮博物館)
場所：plac Zamkowy 4, 00-277 Warsaw, Poland
営業時間：5～9月 10:00-18:00(月～水・金・土)、10:00-20:00(木)、11:00-18:00(日)
10～4月 10:00-16:00(火～土)、11:00-16:00(日)
休館日：4月～10月の月曜日
「ワルシャワ王宮」
ポーランドの世界遺産「ワルシャワ歴史地区」のおすすめレストラン
旅行に行けば、美味しいものや名物料理を食べたいですよね。
ワルシャワ歴史地区でおすすめのレストランが「Folk Gospoda」です。
ポーランドの郷土料理「PIEROGI(ピエロギ)」は、外せませんよ！
Folk Gospodaは、ワルシャワでも指折りのピェロギの美味しい名店なのです。
また、日本人好みの味付けで料理を提供していますよ♪
ワルシャワ・セントラル駅からアクセスもよく、量も値段も丁度いいんです。
ぜひ、一度訪れてみてはいかがでしょうか？
◆Folk Gospoda
場所：ul. Walicow 13, Warsaw, Poland
TEL： (+48 22) 890 16 05
営業時間：12:00～翌0:00
Folk Gospoda
ポーランドの世界遺産「ワルシャワ歴史地区」を訪れる際の注意事項
ワルシャワ歴史地区のあるポーランドは、大陸性気候で日本と同じように四季があります。
しかし、東京よりも気温は涼しく、夏場でも20℃ちょっとしか気温が上がりません。また空気は乾燥しています。
そのためワルシャワは、6月～8月が観光のベストシーズン♪
しかし、朝晩は冷えるので、上着が必要です。
春と秋も観光におすすめの季節ではありますが、夜はかなり冷え込むので、防寒対策を忘れずに。
治安の方は、世界治安危険度ランキングで163か国中27位と、比較的安全な場所です。
しかし、気を抜かず、貴重品管理には気を付けましょう。
水と氷は飲まずに、購入するようにしましょう。水500mlで1～3ズウォティです。
ポーランドの世界遺産「ワルシャワ歴史地区」へのアクセス方法
日本からポーランドまでの直通便は、運行されていません。
そのため、ヨーロッパや中東の主要空港を経由地として、乗り継いで行くのか一般的なアクセス方法です。
また、周辺の国から国際列車で入国することもできますよ♪
飛行機ですと、トルコ・フィンランド・ドバイなどを経由していくことができます。
国際鉄道ですと、ドイツ・チェコ・オーストリアからもアクセス可能です。
また、日本からのツアー旅行もありますので、そちらを利用するのもいいですね。
ポーランドの世界遺産「ワルシャワ歴史地区」と併せて訪れたいスポット
ワルシャワ歴史地区に訪れたら、併せて訪れたいのが世界遺産「ナチス-ドイツのアウシュヴィッツ-ビルケナウ ナチスドイツ強制絶滅収容所」です。
ポーランド国内を横断するような形の観光となりますが、戦争の歴史を知るためにも行っておいた方が良い場所です。
世界最大級の悲劇の場所とも呼ばれる史跡で、戦争の現実を自分の目で見ることができます。
アウシュヴィッツ＝ビルケナウ強制収容所は、その当時、実際に使用されていた物や、収容者から没収した物が展示されているほか、収容者たちの様子を写した写真も見ることができます。
一度、収容されれば、二度と出ることのできなかった収容者たち……。ナチスドイツの強制収容所での平均寿命は、たった2～3ヵ月だったそうです。
人間の過ちの歴史を、きちんと直視することも必要だと学ばせてくれる場所ですね。
おわりに
ポーランドの「ワルシャワ歴史地区」は、争いの歴史の中で、ポーランドの人々の愛国心によって支えられました。
復興した世界遺産としては珍しく、人類にとって貴重な存在です。
美しい街並みの裏側に隠された歴史に思いを馳せながら、ワルシャワの街を観光してみてはいかがでしょうか？
