はじめに
12月2日(金)、西荻窪にある旅の本屋「のまど」にて、『台南「日本」に出会える街』の著者一青妙さんによるトークイベントが開催されました!
日式の文化が生きる「台南」のディープな魅力を伺います。
台南市親善大使を勤める一青妙さん
台湾人の父と日本人の母を持つ日台ハーフの一青妙さんは、幼少期を台湾で過ごし、現在は日本でエッセイスト、女優、歯科医として活躍しています。著作「私の箱子」「ママ、ごはんまだ?」(ともに講談社)をベースにし、妹の一青窈さんが主題歌を歌う映画「ママ、ごはんまだ?」の公開が来年2月11日(土)に予定されています。
台湾にルーツを持つだけでなく、台南市親善大使も務める一青さん。
「台湾の街を歩いていると、“ご当地アイドル”さながらの人気で、知らない人に声をかけられることも多くなりました!」とのこと。まさしく台湾旅上級者である一青さんが、いま注目の「台南」のディープな魅力を教えてくれました。
コンパクトで人情味あふれる台南
台北や高雄(カオシュン)はよく聞くけれど、台南って?と思う人も多いかもしれません。台湾の西南部に位置し、大阪の関西空港から直行便で約2時間40分。台湾の京都とも呼ばれています。
一青さんいわく、台南の魅力は①観光するのにちょうどいい街のサイズ感、②台北よりも安い物価、③大阪人のような人情味あふれる気質、の3つなのだそう。
「台湾で美味しいお店や面白い場所を見つけるなら、現地に1人友達をつくるのが一番です」と一青さん。「面倒見がよくて、おせっかいすぎるくらいの人情味は、日本の関西人の気質に近い気がしますね」。
また、さまざまな分野で「日式」と呼ばれる日本文化を取り入れていれていることから、新たな「日本」の魅力に出会える街でもあります。
台湾人はアレンジ上手!?日式文化
「日式」といっても、私たちが思う日本文化とはどうやら違うよう。例えば、「切り身かな?」と思うほど分厚く切られたお刺身(写真下)や、日本人が持ち込んだプリンを乗せた斬新なかき氷(写真右上)など、日本ではお目にかかれない食文化もそのひとつ。
「日本式をベースに、できるだけ自分たちの文化に近づけようとするんです。台湾でいう『日式』は、日本文化に台湾の味わいをプラスして進化させたものだと思ってください」。
他にも、「禅風」や「和風」と呼ばれる日式のインテリア、昭和レトロな日本の喫茶店を思い起こさせるカフェ、レストランのメニューに書かれた日本語など、日本と台湾の文化がうまくミックスされた様子は新鮮です。
日本の景色が残る老街(ラオチェ)
台湾の各地に点在する、古くからの街並みがのこる老街も日式が垣間見られる場所。とくに、台南から東に約10キロほど離れた「新化老街(シンホワラオチェ)」では、日本統治時代のバロック様式の建物を見ることができたり、5代つづく精米店で流暢な日本語で話すおばあちゃんに出会えたりするなど、歴史的な意味でも日本を感じることができます。
日本と台湾の結びつきを感じながら、散策してみるのもいいかもしれませんね。
『台南「日本」に出会える街』を読んで台南へ
台南は「第二の故郷」だと話す一青さん。いまや海外の旅行先人気ランキングで常に上位に入る台湾ですが、まだまだ知らない魅力があるとのこと。一青さんの新刊『台南「日本」に出会える街』では、そんな台南を建築物や街並みにみる「日本」をテーマに紹介しています。
オールカラーで写真が豊富なので、現地の空気を感じることができますよ。
◆『台南「日本」に出会える街』(新潮社)
一青妙著
1,728円(税込)
『台南「日本」に出会える街』の詳細はこちら
旅へのワクワクが広がる!旅の本屋 のまど
今回のトークイベントが開催された旅の本屋「のまど」は、JR西荻窪駅から徒歩約5分。旅行ガイドはもちろん、旅にまつわる本が国内・外の地域別にディスプレイされ、店内にいるだけでわくわくする空間です。月1回のペースでトークイベントも開催しているので、ぜひ足を運んでみてください。
◆旅の本屋 のまど
住所:東京都杉並区西荻北3-12-10 司ビル1F
電話番号:03-5310-2627
営業時間:12:00〜22:00
定休日:水曜日
旅の本屋 のまど公式サイトはこちら
おわりに
2015年に関西空港から直行便ができてから、足を運びやすくなった台南。台北から台南へは新幹線なら約2時間。ローカル電車、長距離バスともに約4時間です。台湾ははじめてという人も、リピーターの人も、新たな表情を探しに台南を訪れてみませんか。その際はぜひ『台南「日本」に出会える街』を旅のお供にしてくださいね。