京都市公式のホームページである京都情報館はその中で、「民泊の利用及び提供に当たって(重要)」と題したページを作成し、同市の民泊に対する考え方を2016年4月11日付けで示し、同時に利用に当たっての注意を促している。
保健福祉局保健衛生推進室医務衛生課名で明示された内容は以下の通りとなる。
【民泊利用者に対して】
『インターネットの仲介サイト等を介して,空き家や集合住宅の空き室などを宿泊客に提供する,いわゆる「民泊」が急増しています。 自宅の一部を提供する場合であっても,「宿泊料とみなすことができる対価を得て人を宿泊させる業を営む場合」には,旅館業法第3条に基づく許可を受ける必要があります。 』
『また,本市では,宿泊客の皆様に,許可を受け,安全・安心の確保された宿泊施設を御利用いただくことこそが,「おもてなし」につながると考えております。 』
『安全・安心の確保できた宿泊施設を御利用いただくこと,ほんまもんの京都の旅を堪能していただくために,宿泊予約の際には,必ず許可を受けた施設であることを御確認ください。』
【民泊提供者に対して】
『「民泊」については,国において規制緩和の議論等がなされていますが,本市においては,旅館業法の許可を受けずに,営業することはできません。』
『旅館業法をはじめ,消防法,建築基準法など関係法令についても御確認いただき,旅館業法の許可を受けたうえで,営業を始めてください。 旅館業法違反には,罰則も規定されています。』
旅館業法では、寝具を有する施設に不特定多数が有料で1泊から泊まれ、且つそれが継続的に営まれている場合には、旅館業法・建築基準法・消防法等をクリアして順守し、旅館業法上の営業許可を取得しなければならない。管轄する京都保健福祉局保健衛生推進室医務衛生課が現状で明確に指針を示したことは大きく意味がある。
また、旅館業法に基づく京都市内の許可施設一覧(平成28年3月末現在)がPDFで確認できる。このような試みは北海道の札幌市が早くから導入しており、合法宿泊施設の一覧が公開され、札幌市として民泊の違法例を明示している。また金沢市は早期に実態調査と違法民泊への個別指導を行った行政として知られる。
逆にこれだけ民泊の社会的問題性が指摘される中でも、近隣にできた宿泊施設に対する住民からの営業許可の有無確認に管轄保健所は、個人情報保護法を盾に回答せず、県へ開示請求の手続きを取らなければならない和歌山県の様な例もあり、県や市町村でも対応が分かれている。
(文:編集長 向井通浩)
⇒詳細はこちら