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トリップアドバイザー、全従業員の4分の1にあたる約900人の人員削減を実施へ


世界最大級の口コミプラットフォームの TripAdvisor(トリップアドバイザー)は、新型コロナウイルスによるパンデミックで旅行者数が全世界で大幅減となったことを受けて、コスト削減のために従業員の4分の1にあたる約900人の人員削減に踏み切ることがわかった。


ニーダム(マサチューセッツ州)に本社を置くトリップアドバイザーのCEO ステファン・カウファー氏は、米国で 600 名・世界中の他のオフィスで 300 名の人員削減を行うと声明の中で明らかにした。また残りの従業員の殆どは 6 月 1 日から 3 カ月間、20% の減給と週 4 日勤務が迫られる。


また、新型コロナウイルスの感染防止対策として実施しているリモートワークが効果的であることがこの数週間で実証されたとして在宅勤務を完全に取り入れるとともに、サンフランシスコとボストンのオフィスを閉鎖する。


カウファー氏は、全従業員の4分の1に当たる人員削減について「私がこれまで経験した中で最も困難なコスト削減の決断だ」と従業員に対するメールで伝えた。またカウファー氏はすでに自身の 2020 年の給与を見送ると述べている。


更にカウファー氏は、今後の見通しについて「新型コロナウイルスの影響の全体像はまだ分かっていないが、我々のビジネスと業界が回復することを確信している」と述べた。なお、インターネットメディアの Axios は以前、トリップアドバイザーが人員削減を計画していると報じていた。


 


世界で1億人以上の旅行関連の雇用が失われる可能性も


新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受けて、多くの国がロックダウンや移動制限を行っており、出張や休暇の計画が世界中で停止。その影響で、旅行業界は甚大な影響を与えている。


観光分野の世界的な民間団体である世界旅行ツーリズム協議会(World Travel &Tourism Council)は、旅行及び観光部門は世界的に見て 1 億人もの雇用が失われる可能性があると指摘する。ただしこの数字は、過去 4 週間で 30% 以上増加しており、今後更に増加する可能性がある。


世界旅行ツーリズム協議会のグロリア・ゲバラ議長は、本数字の増加は驚きとともに深く憂慮すべき事態であり、観光全体のサイクルが新型コロナウイルスのパンデミックによって全く動いていない、と述べた。


旅行及び観光業界のみならず、航空業界も航空会社に加え航空機メーカーも新型コロナウイルスのパンデミックにより非常に厳しい状況に陥っている。いち早く経済の再稼働に向けた動きを始める中国では、国内旅行の需要が回復傾向にはあるが、世界的に見れば現在は旅行関連の需要が消滅した状態が続いている。


ただし 5 月から欧米においても外出制限の緩和がなされ、経済の再稼働に向けた動きが本格化する。今後、旅行関連の事業者がどのような形で生き残りを図るのか、各社の生存に向けた競争が激しくなりそうだ。


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