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香港政府、中国当局と国境の開放に向けた協議へ 新型コロナウイルス収束傾向で


日本では新型コロナウイルスの新規感染者が発生している状況であるが、香港では累計感染者数は 1,037 名で、4 月 26 日、27 日ともに新感染者は連続でゼロ人となっており、新型コロナウイルス感染症対策はすでに成功を収めつつある。


新型コロナウイルスの収束傾向が見えてきている香港で議論になりつつあるのが、国境閉鎖状態をいつからどのように解除していくべきかのかという問いだ。


ある観光業に精通する議員は、中国本土への渡航制限を段階的に解除し、ビジネスや家族の訪問などで頻繁に国境を超える必要がある人は 2 週間の隔離措置の解除の検討を行うべきだと述べた。また政府関係者に対し、規制を緩和する方法を中国当局と協議するよう求める。


ただし、中国本土の政府当局は感染拡大防止策の緩和に対して非常に慎重な姿勢をとっており、香港が国境を開放すれば中国本土側も同じようにすると思ってはならず、双方が意思疎通を図り徐々に開放のための措置が必要だとも述べた。


香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙によると、すでに香港政府筋は中国側と国境の措置に関して協議している、と述べている。


また香港行政会議の非公式メンバーであるジェフリー・ラム氏は、「政府は中国本土からのビジネス旅行者のための旅行制限の段階的な緩和を検討するべきだ」と述べた。ラム氏は、これらの人々はウイルス検査で陰性であれば 14 日間の強制検疫を受けずに香港入国が可能であると示唆している。


また専門家や技術者などの一部の人々に、入国許可を与えることを検討する可能性があり、国境を越えたビジネスマンが通常の活動を再開するのに必要な措置を、中国本土当局に要請するだろう、とも述べている。更にパブ・映画館・野外娯楽施設の再開を許可するなど、地域経済に壊滅的な打撃を与えているソーシャルディスタンス(社会的距離)のルール緩和もできる、と語った。


 


医師会も5月7日から国境開放措置の検討に同意


香港医師会の伝染病諮問委員会の委員長を務める Leung Chi-chiu 博士は、社会的距離の措置と強制検疫措置が終了する 5 月 7 日以降、国境を開く措置を検討することに同意した。本土と香港を常に往来する理由がある人は、まず規制の対象から除外されるべきだ、と Leung 博士は述べている。


また微生物学者の Ho Pak-leung 博士はラジオ番組で、中国本土からの旅行者が過去 1 カ月以内に危険性の高い地域を訪問した場合などは、香港で鼻と喉の検査に合格すれば入国を許可するような仕組みを政府が検討する可能性がある、と述べている。


香港では、移動制限や人と人の距離を確保する「ソーシャル・ディスタンシング」の措置を 5 月 7 日までの期限としているが、新規感染者の大幅減少を受けて香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は 4 月 28 日、大半の公務員が 5 月 4 日から段階的に職場に復帰すると発表した。


香港経済は、逃亡犯条例改正案に反対する大規模な反政府デモと新型コロナウイルス感染症への対策措置により、甚大な影響を受けている。世界的に見れば新型コロナウイルスの封じ込めに成功しつつある香港において、移動制限措置の期限となる 5 月 7 日以降どのように解除を行っていくのか、世界的な注目を集めることになりそうだ。


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