みなさんこんにちは。トラベルジャーナリストの橋賀秀紀です。先日、エア・カナダの特典航空券の便名を変更しようとしたら、電話で80分待たされました。アメリカのフリーダイヤルにスカイプでかけたので通話料はかかりませんでしたが…。
さて、気を取り直して、今回はエアアジアXの話題です。
世界的にみると、格安航空会社(LCC)の多くは短距離路線で活躍しています。その最大の理由は、LCCのほとんどがエアバスA320ファミリーやボーイング737シリーズのような単通路機を主力としており、航続距離に限界があることによります。こうした中、日本にも就航しているエアアジアXはエアバスA330型機という比較的大きな機材を使って、中距離便を運航しています。
そのエアアジアXが、6月末からイランの首都テヘランまでの路線を就航させています。先日スカイスキャナーで検索したところ、東京/羽田〜テヘラン往復が総額コミコミで32,000円という驚異的な金額で出てきました。
エアアジアグループ、クアラルンプール・バンコク〜テヘラン線就航 記念運賃は片道8,000円台から
http://www.traicy.com/20160515-D7XJikaイラン、アライバル・ビザの取り方(worldtravelingのブログ)
http://worldtraveling.hatenablog.com/entry/2016/04/15/213611
実はエアアジアXは2012年まで、欧州のロンドン、パリとクアラルンプールを結ぶ路線を就航させていたことがあります。エアアジア・グループのトニー・フェルナンデス最高経営責任者(CEO)は2016年内に欧州路線を復活させることを明らかにしており、テヘラン、そしてオマーンのマスカットへの路線開設も、こうした長距離路線戦略の一環と考えられます。ちなみにシンガポール航空系列のLCCであるスクートも2017年に欧州路線を開設することを発表しています。
エアアジアX、クアラルンプール〜ロンドン線の運航再開検討 ハワイ線の就航も
http://www.traicy.com/archives/8620227.html
しかし、日本発の場合、すでにカタール航空やエティハド航空などの中東系のエアラインの相場がかなり安いので、相当の安値でないとLCCで長距離を飛ぶメリットはなさそうです。
さて、今回エアアジアXが就航するイランですが、日本人であればテヘラン空港到着時にアライバルビザを取得することができます。また、中東の国の中でも治安はかなりよい部類です。パキスタンとイラクとの国境地帯では外務省は最高ランクである「退避勧告」の危険情報を発出していますが、テヘランなど大部分は一番低い「十分注意」の情報にとどまっています。筆者が2012年に旅行したときには何の問題もなく旅行することができており、テロ事件の類もほとんど発生していないようです。
イランといえば「世界の半分」とかつて呼ばれた「イスファハン」に代表されるように、イスラム圏屈指のイスラム美術と建築に触れることができます。また、ツーリストの数が少ないので、有名観光地でもゆっくりみてまわることができます。
物価が安いのもありがたい限り。ちなみにテヘランにはキャビアをてんこ盛りにした「キャビア寿司」を食べさせるお店もあります。この機会にイラン渡航を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし、イランに入国すると一つ大きな問題があります。それはアメリカに入国する場合にビザの取得が必要になること(商用や報道目的での渡航など、一部は除く。詳細はアメリカ大使館のホームページ参照。)。ビザは10年有効だそうですが、ビザ代が16,000円。しかも事前に予約して、アメリカ大使館で領事面接をする必要があります。これはグアムやハワイに行く場合、あるいはアメリカ経由でカリブや中南米の国に行く場合も必要になるので要注意です。
■関連記事
なぜマレーシア航空のセールが「買い」なのか?【橋賀秀紀のフカボリ!】
“最悪”とも言われる成田空港第3ターミナルへのアクセスを考える【橋賀秀紀のフカボリ!】
サンパウロ行きのビジネスクラスが308,000円、ビザなし渡航なら今がチャンス!?【橋賀秀紀のフカボリ!】
総額24万円で”ヨーロッパ4回+ドバイへ無料ビジネスクラス”のウラ技【橋賀秀紀のフカボリ!】