マレーシア航空は、経営再建の指揮を執ってきた、クリストフ・ミュラー最高経営責任者(CEO)が9月に辞任すると、4月19日に発表した。2015年1月に就任し、3年契約の任期の途中だった。辞任の理由は明らかになっていない。
ミュラー氏は、アイルランド国営のエアリンガスのCEOを経て、マレーシア航空として初めて外国人がトップに就いたことで話題となった。2機の墜落事故や競争の激化で深刻な経営難だったマレーシア航空の経営を引き受け、大規模なリストラ、ヨーロッパ線を中心とした路線縮小、エミレーツ航空との提携拡大を指揮した。
マレーシア航空を傘下に持つ、国営ファンドのカザナ・ナショナルは、「ミュラー氏には再建計画を継続してもらうことを望んでいたが、我々は彼の意思を尊重した」としている。今後、カザナ・ナショナル、マレーシア航空、マレーシア政府は、後任となるCEOをミュラー氏の退任前にも決定する計画。