早期開業を目指して工事が進められているJR東海のリニア中央新幹線プロジェクト。開業後は、品川〜名古屋間が最速40分、品川〜大阪間が同67分で結ばれる。開業に向けて同社は昨年、「リニアのあるわたしの未来プロジェクト」を始動。リニアが開業したらどんな人に出会いたいか、どんな景色を見たいかなど、「リニアが叶える未来像」を広く募集したところ、北は北海道から南は沖縄県まで、全国から1万通以上の応募があったという。
寄せられたメッセージやイラストなどの応募作品の一部が、特設サイト上で冊子形式で公開されている。コロナ禍で改めて人と直接的に出会う価値の重要性を感じたという大阪府の男性は、「リニア中央新幹線が開業した暁には、ソーシャルディスタンスではなく物理的な距離を縮めることが実現し、人と人が直接出会うことが身近になる」と未来を思い描いた。
長野県駅(仮称)が設置される長野県に住む女性は、地元の観光地を紹介。「長野には、伊那・飯田・駒ヶ根という自然に恵まれた観光地があるのに他県の方々に遊びに来てもらえないのは寂しい」としたうえで、「リニアが開通すれば、伊那・飯田・駒ヶ根方面へのアクセスが一気に簡単に! 都会の忙しい日々に疲れたら癒やしを求めて遊びに来て」とアピールしている。
また、リニア中央新幹線が通らない青森県からも声が届いた。小学校の友人が岐阜県に引っ越してしまったという8歳の男の子で、「また、いっしょにあそぼう。リニアに乗って会いにいくよ」とメッセージを送っている。
JR東海の金子慎代表取締役社長は全国からの多数の応募を受け、「改めて、『リニアのある未来』について新しい観点から多くの期待をお寄せいただいていると感じました。皆様からのご期待にお応えできるよう、プロジェクトを着実に進めて参ります」とコメントしている。
▲愛知県の男の子(8歳)から寄せられたイラスト
▲東京都の男性(45歳)から寄せられたイラスト