東京商工リサーチは4月9日、2020年4月から2021年3月までの旅行業の倒産状況を明らかにした。
負債額1,000万円以上の企業の倒産は23件(前期比4件減)で、負債総額は295億6,100万円(前期16億8,200万円)だった。件数は減少し、過去20年間で最少だったものの、負債は過去20年だい最大となり、大型倒産が目立った。
負債額別では、1,000万円以上5,000万円未満が14件で、約6割を占めた。旅行業では過去最大となる、ホワイト・ベアファミリーの負債総額約278億円の倒産が大きく押し上げた。
東京商工リサーチでは、倒産減少の背景には、政府や金融機関による資金繰り支援策が奏功したことが考えられるとしたものの、コロナ禍の発生から1年余りが過ぎ、緊急避難的な政策として始まったコロナ関連融資も返済期限を迎え、先行きの業況見通しが未だ厳しい中、過剰債務を抱えて資金調達が限界に達した企業の「あきらめ倒産」の増加が今後は危惧されると、今後の見通しを示している。
(2020年度の主な旅行業の倒産、カッコ内は負債額と倒産形態)
・ホワイト・ベアファミリー(278億円、民事再生法)
・エムセックインターナショナル(6億8,000万円、破産)
・桜開発(2億5,000万円、破産)
・マイチケット(17億8,000万円、破産)
・DCT COMPANY(9億8,000万円、破産)