国内で旅行気分を味わってもらおうと、日本航空(JAL)は台湾観光局、成田国際空港(NAA)らと共同で、成田空港発着の特別周遊フライトに乗るイベントを開催した。空港や機内に台湾の雰囲気を再現し、参加した153人が台湾旅行気分を満喫した。
JALによるこの趣旨の成田空港発着の周遊フライトは、昨年12月のシンガポール編に続き2回目。今回は同空港を正午に出発し、午後3時30分に帰着する約3時間30分の周遊フライトで、台湾観光局が「味覚、視覚、聴覚を通じた台湾体験を楽しんでもらいたい」と様々な仕掛けを用意した。
フライトが出発する第2ターミナル国内線エリア付近には台湾をイメージした装飾が施され、中華圏で縁起物とされるブタ「金豬」のランタンや、人気の観光地「九份」のフォトスポットなどが登場。参加者は、台湾先住民族のアミ族の伝統衣装を纏った台湾人スタッフが立つ入境審査風のブースで、パスポートを模した台紙に“入境スタンプ”を押してもらっていた。
機材は国際線用のボーイング767-300ER(機体記号︰JA618J)を使用し、便名はJL3399便(運航上の便名はJL4981便)。中国語で「3399(sansanjiujiu)」は「長長久久(changchangjiujiu)」(=末永い)の発音と似ており、日台間の友好が永遠に続いてほしいという願いが込められているという。
機内では今回のイベントのために特別に用意された台湾料理メニューを提供。参加者は機内モニターに流れる台湾各地の映像を見ながら機内食を味わい、旅行気分に浸っていた。食事後は台湾グッズが当たる抽選会を開催。中華圏の祝儀袋「紅包」が1つずつ配られ、袋の中に当たり券が入っていた人にはぬいぐるみや台湾茶がプレゼントされるというもの。さらに、絵葉書にメッセージを書いて特設ポストに投函すると、台湾の郵便局を経由してエアメールで日本に届くというユニークなサービスも用意された。
JL3399便は成田空港を出発後、午後12時45分頃に富士山付近を通過し、長野県松本市上空を旋回して北陸方面へ。富山湾上空から四国方面に向かい、午後2時頃に高知県上空を経由して関東方面に戻るハート型のルートで飛行した。
参加者の中には、これまでに何度も現地を訪れている“台湾リピーター”だけでなく、「台湾に行ったことがないので気分を味わってみたい」という人もいた。JALによると、申し込み倍率は約7倍だったという。実際の台湾への観光渡航が再開する見通しは立たないが、台湾観光局は「解禁後の台湾旅行を楽しみにしてもらえれば」とコメントしている。
▲入境審査風ブースに立つアミ族衣装を纏ったスタッフ
▲パスポート風の台紙に押された“入境スタンプ”
▲「金豬」ランタンと共に記念撮影する参加者
▲アミ族衣装のスタッフと記念撮影する参加者
▲搭乗口付近に飾られた客家花布柄の提灯
▲周遊フライトに使用されたボーイング767-300ER(機体記号︰JA618J)
▲ドリンクを提供する客室乗務員(CA)
▲機内食を準備するCA
▲機内食を提供するCA
▲エコノミークラス用機内食。蓮のチマキや点心、口水雞、マンゴープリンなど
▲ビジネスクラス用機内食。エコノミークラス用メニューに加え、五味白肉、榨菜など
▲「紅包」のくじを配るCA
▲「紅包」のくじ
▲「紅包」を持つCA
▲参加者に配られた記念品。絵葉書やパイナップルケーキ、台湾製マスクなど
▲周遊フライトから望む富士山