JR東海は、リニア中央新幹線の建設工事におけるトンネル施工の起点の一つとして名古屋市内で工事が進められている、名城非常口を公開した。
将来的に東京・名古屋・大阪の大都市圏を結ぶ同新幹線では、市街化地域においては深い地下にトンネルを掘って通過することが計画されている。同新幹線の都市部における「非常口」は、文字通り非常用の避難口としての機能だけでなく、トンネル掘削の拠点という役割も持つ。
この非常口は東京都内に4か所、神奈川県内に5か所、愛知県内に4か所設けられる。名城非常口は最も名古屋寄りとなり、名古屋城南側の官庁街で工事が進められている。直径は約37.7メートル、深さは約89.1メートル。現在は内部のコンクリート璧の構築が進められている。
2022年7月の完成後、ここからシールドマシン(掘削機)を運び込み、リニア中央新幹線が通る本線トンネルの掘削工事を進める。名城非常口からは、東京方に約5.8キロ離れた勝川非常口までの区間と、名古屋駅までの約1.8キロの掘削が行われる計画だ。
リニア中央新幹線は2027年の品川〜名古屋間開業が危ぶまれているものの、JR東海は早期開業に向けて取り組んでいくとしている。
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▲名城非常口内部から地上を見上げた様子
▲本線トンネルを掘削するシールドマシンの発進口を作るための鉄骨
(写真︰JR東海)